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2011年5月 2日 (月)

感情の老化

和田秀樹「『がまん』するから老化する」の要約

体や脳は、加齢よりも使わないことによって衰える。使い続けることで高いレベルを維持できる。年を取った時こそ、使い続けている人とそうでない人の差が大きい。積極的に体を動かして、頭を使い続けようという心の若い人は老化しにくい。

人間の老化は体力や知力よりも、まず心や感情から始まる。感情が老化すると、刺激を受けることが億劫になり、積極的に体も動かさなくなるし、頭も使わなくなる。外見も気にしなくなるので見た目も老化する。やる気がなくなり、「まあ、いいや症候群」が現れやすくなる。体も脳も使わなくなるから、追いかけるように体や脳、生殖器などの老化が進む。

感情が老化する原因は①前頭葉の萎縮②脳の動脈硬化③セロトニンの減少の三つ。

①前頭葉の萎縮により意欲や好奇心、創造性、人間らしさを失う(刺激的な体験の減少により前頭葉を使わなくなるのが原因)
②脳の動脈硬化により自発性が低下、感情失禁や認知障害をもたらす(糖尿病・高血圧、コレステロール、肥満・ストレス等が要因)
③セロトニンの減少により欝になりやすく意欲も低下、食欲・性欲減退、イライラ状態、決め付け思考になる(睡眠不足・大量飲酒・肉類に含まれるトリプトファンというアミノ酸の不足などが原因)

最も重要な前頭葉の老化予防は、とにかく使うこと。前頭葉は、決まりきったルーティーンの状況では余り使われないので、安穏とした日常生活を送っていると老化が早い。前頭葉を活発化させるには、想定外の事態や未来を読む必要に駆られて必死に考える状況、波瀾万丈でハラハラドキドキするような状況、感情を沸き立たせるような状況を作ること。高齢化すればするほど、人生経験も豊富でなおかつ前頭葉も衰えるので、より強い刺激が必要になる。より本格的なものから受ける刺激が欠かせない。
事例として、株式投資、起業、恋愛、ギャンブル、カラオケ、レベルの高い本物の芸、寄席、秘湯めぐりなどが、上げられている。年寄りはもっと遊べ・健康のためにもっと金を使えとのアドバイスも。

ミスコピーによって生まれた出来損ないの細胞を免疫細胞が殺すのだが、老化によりミスコピーが増え、免疫機能が低下するので、出来損ないの細胞が増える。これがガンだから、高齢者は皆多かれ少なかれ小さなガンを抱えている。
免疫機能を高めるには、栄養状態を良くする・免疫細胞が集中している腸を温めること・心が幸せな状態を維持すること。
NK細胞の活性は辛い体験で低下し、快体験によって上がる。快体験は、免疫機能の維持やうつの予防にいい影響を与える。事例としては、恋愛、ギャンブル、笑い、美味しい食事。前者二つは辛い結果をもたらすこともあるが、後者の二つは裏切らない。

心を若返らせると、かなりの精度で免疫機能が若返る。人づき合いやお洒落等の外見の若返りは、心を若返らせる簡単な方法だ。現代では人間の心のありようは内側から湧き出てくるものではなく、外側から規定されると言う行動療法的な考え方が主流。行動を変えれば心も変わってくる。仕事での人間関係、ボランティア、クラブ・ゴルフ・マージャン等の仲間、同窓会等。特に仕事は前頭葉を刺激することが多いから、生涯現役のほうが、長寿で健康になれる。

テレビは無自覚にみていると思考停止させやすい、老化を促進させやすいメディア。ルーティーン化や決め付け・ワンパターンが多いので、疑いながら批判しながら見ることが大切。疑問を解くために使うインターネットの検索や自分の考えをアウトプットできるブログ・ツイッターや掲示板などは良いメディア。

老化によってホルモンバランスが崩れると、中性化し、認知機能が落ちるが、バランスを整えると、認知機能も回復し、男らしさ・女らしさが保たれ、精神的に若返る。
性欲は若さの元だから、若さを保ちたいなら異性に胸をときめかせること。異性の目を意識してモテようとすることは、前頭葉機能・免疫機能の維持にプラスに働く。「追っかけ」ですらホルモン補充療法に匹敵するほどなのだという。

細胞を酸化し損傷させるフリーラジカルは、呼吸や紫外線によって生み出されるので避けられないが、激しい運動で急増するので、高齢者にはスポーツが必ずしも健康にいいとは限らない。 

人間の体は必要なものを美味しく感じるように進化の過程で出来あがっている。高齢者が薄い味よりは濃い味のほうが好きになるのも適応現象といえる。
動脈硬化で血管が狭くなっているので、血圧も血糖値も少し高めでないと、酸素や糖分が脳に行かない。従って塩辛いものや甘いものが欲しくなる。腎臓のナトリウム貯留機能も衰え塩分が尿に出やすいので不足しがち。

節制して枯れた姿が、日本人の美意識にある。食生活の欧米化は、日本人をかなり若返らせた。日本人の平均寿命が延びた過程は、肉を食べる量が増えていった過程と確実に重なる。食卓に肉が増えていくプロセスにおいて、植物性たんぱく質や魚を減らすわけでもなかったから、期せずして世界でもまれに見るバランスのいい食卓を実現したのである。

概して「足りない」ほうが「余っている」よりも体や脳に悪い。しかも歳を取れば取るほど、不足したことによる害が出やすい。之は体の恒常性を乱すようなことが起きたときに、適応の幅が狭くなるからである。
『がまん』するから老化する。

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