« 利他の起源(2) | トップページ | 震災後4ヶ月 »

2011年7月10日 (日)

読書論

鷲田小彌太「定年と読書」を読む。
これからの自由な生活に役立つ色々なヒントをもらった。

鷲田は知的生活の中心は読書だと明言している。読書は知的活動の基本だからだ。脳を老化させないためには、脳に常に新しい刺激を与えることが必要だが、本は言葉を通じて常に新しい世界を体験させてくれ、また本を読むことは、集中力や持続力を鍛えるからだ。

そしてもう一つ重要なのは、やはり知的生き方をしている仲間を作ることだ。いい本について語り合える友人や仲間ほど大切なものはない。自前の読書党をつくりなさい、読書日記を公開しなさい、友人と語り合えなければ、本について書いた読書論や書評集を読みなさいとのヒントをもらった。

定年後も、仕事を続けるのが良いと言われるのは、社会との関係、人間関係が続くからだと思う。食うための苦しい仕事とはやはりおさらばしたい。これまで培ってきた経験を生かす仕事であっても、楽しめること、興味があることをしながらの、仕事でなければならない。要するに励むに足る仕事であればいい。だから自分の仕事場を持つフリーの仕事が理想だ。

しかし仕事とは、仲間や社会のために役立つこと、貢献することが重要であって、金銭的報酬を得ることが本来の目的ではない。だから、ボランティアでも仕事と同じ充実感は得られる。そして彼が提案するように読書仲間がいれば、いい本についての情報交換や意見交換による喜びが得られると思うのだ。

本は、やはり読むだけではダメだと思う。彼は、定年後の知的生活のなかに、著書を書く、ということを意識的に位置づけると、関連の本を集めたり、読んだりするのに力が入るという。それは素晴らしいが、別にそこまで専門的にならなくとも、人と意見交換するためには、やはり自分の意見をまとめることが重要だ。単なる印象や感想を越えた突っ込んだ探求心が見られないと、薄っぺらくなってしまう。彼が言うように、「読みながら考え、考えながら書く。しかし、書きながら読み、書きながら考えるのである。」
「人間は言葉で経験を形作る他ない」から、書かなければ、考えはまとまらない。現役時代はなかなか出来なかった、このブログもその考え方に沿っている。

「読書力の中心は、文章力(書き・読む力)であり、さらにいえば言葉の力である。言葉で事柄を説明し、人を動かし、何事かをなさしめる力である。」
だから、仕事に読書は欠かせない。それがたとえ専門書でなくてもだ。人間の幅を感じさせる言葉、人生や社会を知っている言葉が使えるからだ。定年後はどうか。

定年後は、自由時間が増えるから、たくさん本が読める。しかし行き当たりばったりで、沢山本を読めば良いと言うものではない。長続きさせるには工夫が必要だ。
「心を豊かにする読書の第一法則は、心を豊かにする書物を読むことではない。毎日の生活の中に読書をきちんと繰り込むことである。読書のある生活プランを立て、実行すること。」だという。

しかも、具体的に、たとえばその年のテーマを決め1ヶ月に一冊、年間12冊のメインの本を購入した上でその他にメインの関連本とメインの後押しをする本、そして話題本の4冊を揃え、1週間に1冊ずつ読むことまで提案している。
自分は物書きではないから、そこまでテーマを絞り込めるかは自信がないが、人に何かを語れるようになるには、やはりテーマを出来るだけ絞るほうが良さそうだ。

今までの建築の仕事の延長上で何が語れるか、それとも10年以上続けてきた太極拳で何が語れるか、それとも学生時代に戻って哲学をやり直すか、最近気になる日本の政治の在り方を考えるか、興味あることはたくさんあるが、メインはやはり絞った方が良いだろう。難しい選択だ。何故ならば今は余りにも皆中途半端だから。

« 利他の起源(2) | トップページ | 震災後4ヶ月 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/574388/52172918

この記事へのトラックバック一覧です: 読書論:

« 利他の起源(2) | トップページ | 震災後4ヶ月 »

お薦め本

  • 鈴木亘: 「財政危機と社会保障」
  • 波頭亮: 「成熟日本への進路」
  • 中野剛志: TPP亡国論
  • 増田悦佐: 日本と世界を揺り動かす物凄いこと
  • 古賀茂明: 日本中枢の崩壊

お薦めサイト

フォト
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック

無料ブログはココログ