« 公共工事は不要か?(2) | トップページ | 退職延期 »

2012年1月15日 (日)

教育・研究投資の必要性

2、3日前のテレビで、普通の皮膚細胞から万能細胞を作り出す技術を開発した京大山中伸弥教授のiPS研究の実態が報道されていた。山中教授は日本の研究環境が貧弱なため、実用化の研究ではアメリカに負けそうだというのだ。

 日本政府も重要性を認め、国家プロジェクトとして支援する姿勢は示しているが、予算は91億円とその規模が小さい。一方の米国は寄付等も含め、1900億円だという。アメリカの研究所の様子も報道されていたが、潤沢な予算と研究環境を求め、世界中から研究者が集まっているだけでなく、研究論文用のグラフィックデザイナーさえ雇っている。一方、山中教授の研究所では、200人のうち、京大職員は20人で、教授はその他の研究者の不安定な雇用に頭を痛めているという。もっと真剣な支援が必要なのだが、ここでも財政赤字がネックになっている。

 朝日新聞に、引用度がトップクラスの科学論文の世界シェアを、米日中英仏独の6か国で比べると、日本だけが00年度をピークにシェアを落としているという記事が載っていた。先進各国は国際共著論文を増やす方向を目指しているのに対し、日本だけが国内志向で、海外への留学生も減少しているという。科学でも日本の地盤沈下が進んでいるようだ。
 同じ新聞に、01年に337あった日本の官民のシンクタンクの数が11年には201に減少したという記事もあった。研究成果も、同様に半減しているという。原因は、国の財政が悪化し、また企業収益も低迷しているため、研究に投じる予算が無くなるあるいは減少しているからだ。民間では委託費が競争入札になっていることも苦しい原因だという。

 先進国の中で、日本は教育予算の比率が圧倒的に少なく、特に高等教育への予算が少ない。資源がなく、知識産業や技術で生きるしかない国なのに、こんなことでよいのか。ここにも公共投資すべきものが見つかった。
 日本の国家予算は一体どういうビジョンの元に、どういう配分で組み立てられているのか、要チェックだ。

« 公共工事は不要か?(2) | トップページ | 退職延期 »

ニュース」カテゴリの記事

学問・資格」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/574388/53737898

この記事へのトラックバック一覧です: 教育・研究投資の必要性:

« 公共工事は不要か?(2) | トップページ | 退職延期 »

お薦め本

  • 鈴木亘: 「財政危機と社会保障」
  • 波頭亮: 「成熟日本への進路」
  • 中野剛志: TPP亡国論
  • 増田悦佐: 日本と世界を揺り動かす物凄いこと
  • 古賀茂明: 日本中枢の崩壊

お薦めサイト

フォト
2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ