« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »

2012年7月

2012年7月21日 (土)

シニアの社会貢献

 日本の若者世代は、未来の先食いによって成立した「現在の豊かな社会」の負の遺産を負うという過酷な状況に置かれている。今こそ、「シニアがボランティアベースで引き続き社会に貢献することが、日本社会の行き詰まりを打破し、日本社会に本来備わっている美徳を引出すことにもつながる。」と、日経のコラム氏が論じている。(日経120720大機小機「シニアよ大志を抱け」)

 コラムで例に取り上げられている、「高齢化が急速に進むまちで、まちの機能やインフラの再編に知恵や調整力を生かすこと」「日本の若者だけでなく、日本に来るアジアの若者に日本社会へのオリエンテーションをすること」などは、非常に興味のあるところだ。

自分としても、趣味や勉強だけでなく、地域のボランティアやNPOなどの活動で、社会貢献に取り組むべきだと思うし、元気なうちに現役時代の仕事の枠を超えて何かに取り組んでみたいと思う。自分の持つ知識や技能を社会に伝えることで、まだ社会の役に立てるのならば、自分の生きる意味が出来るわけで、こんなに嬉しいことはない。来年はもう完全リタイアになると思うので、今から、何らかのつてがないか探してみようと思う。

 

2012年7月19日 (木)

若者に冷たい日本の大人たち

 今日の日経新聞の経済教室で鈴木亘氏が、「一体改革残された課題」で民主・自民・公明の3党による修正合意で衆院を通過した年金制度改革について、「抜本的改革の先送りとバラマキの拡大」だと批判している。そして、2つの提案をしている。

①年金清算事業団を創設して年金債務を切り離すこと
②新型相続税や追加所得税導入し債務処理をすること

 年金積立金は、70年代自民党の大盤振る舞い以降不足し始め、2028年には枯渇すると言われている。賦課方式のため、現在の高齢者世代は、過去に支払った保険料をはるかに上回る年金を受け取っており、しかも少子高齢化で高齢者が増える一方、若者世代が減っているからである。若者世代や将来世代は「支払損」を被るので、国民年金未納率は41%と増える一方であるという。

 一時も早く、積立方式に戻すべきだが、一旦債務を年金清算事業団に移して、年金を健全化し、事業団の債務は、保険料の値上げではなく消費税引き上げや年金課税強化で対応すべきである。また若い世代のお蔭で余計に相続資産を残せるわけだから、「年金目的の新型相続税」を作るべきだという。また、遠い将来の世代まで薄く広く負担する「年金目的の追加所得税」を創設すべきだという。全く納得できる提案なので賛成だ。

 同紙に、政府が6月に発表した「若者雇用戦略」に関する記事が載っていた。デフレで成長できない企業は解雇できないため採用を手控え、若者が就職できない状況が続いている。若者が働く場を得るには、若者自身の能力を高めることと、企業が採用をためらわないように雇用規制を緩和することが不可欠である。ところが、大胆な教育改革には保守的な教育界、解雇規制の緩和については労組が抵抗勢力となって、一向に改革は進まない。イタリアではモンティ首相が業績悪化による解雇に道を開き、外国企業を呼び込み、企業の経営戦略の転換を促す方向に舵を切った。

 経済成長のためには企業の自由度を上げることが重要であることを説得しつつ、一方で生活の不安を解消する福祉政策を同時に提示できない日本の政治家の責任でもある。

 日本の政治家は、若者よりもたくさんの票を持つ労組や中高年の方を向いて、中途半端な政策で対処療法ばかりでお茶を濁しているから、世界から取り残されるという。だが、これは選挙のためにバラマキ甘言を発する政治家を選択する選挙民、自分の目先の利益ばかりを考え日本の将来を考えない国民の責任にほかならない。

 

トルコ旅行

 7月8日から17日までの10日間、カミさんとトルコ旅行に行ってきた。
退職したら行こうと決めていた長年の夢だった。アジアとヨーロッパの架け橋の街イスタンブール、きのこ岩が聳えるカッパドキア、石灰棚のパムッカレは、学生時代から行ってみたいと考えていた場所だった。今回のツアーには、その他に、鉄を発明したヒッタイトの遺跡、大塩湖トゥズ湖、11~13世紀のセルジュク・トルコの首都コンヤ、ギリシャ時代の大都市エフェソスも含まれていた。

 チョッと高額のツアーだったせいか、一組の新婚さんを除いては、8組が老人組。夫婦が5組、姉妹が3組の18人のメンバーだったが、割と和気合い合いで気楽な旅行ができた。やはり、3分の2を占める女性陣の方が元気で、賑やかだった。旅行会社の添乗員の女性も、現地の男性ガイドも、非常に優秀かつ知的で、楽しくまた勉強になった。

 トルコは日本の国土の2倍の広さで、人口は75百万人という密度。旧首都で最大の都市イスタンブールには、人口14百万人が集中し、トルコ経済の47%を支えているのだそうだ。平均年齢は日本の44歳に対し、28.5歳と若い。一人当たりGDPが1万ドルを超えたばかりの伸び盛りの発展途上国だ。アラブ資本が流れ込んでおり、建設工事が盛んで8%台の経済成長率を誇るが、バブル気味、原油輸入が大きな負担で財政赤字だという。大成建設が、ボスポラス海峡をつなぐ地下鉄道工事をしていた。

 トルコは日本と違い、大陸における交通の要所にあることから、古くから、多くの民族が行き交い、国を興し、戦争が起こっては、民族も国も目まぐるしく入れ替わってきた。元々は中央アジアの遊牧民であったトルコ民族が、この地域に進出してきたのは、11世紀になってからだという。

 古くは紀元前(BC)35百年頃のメソポタミア文明の後、BC16世紀ヒッタイト王国が一帯を支配していた。BC7世紀頃のペルシャ帝国、BC4世紀頃のマケドニア王国アレキサンダー大王が統一したギリシャ支配、BC2世紀頃のローマ支配、紀元後(AD)4世紀のビザンチン帝国、8世紀のイスラム帝国による一部支配、11世紀のセルジュク・トルコ、13世紀オスマントルコ帝国、第一次大戦で連合国に負けて領土を分割占領されたが、ケマル・パシャによるトルコ革命を経て、1923年帝政廃止・民主化により現在のトルコ共和国になった。

 いろいろな文明・文化が混じることで、さまざまな新しいモノが生まれ、またここから広まっていった。ヨーグルトもチューリップもカーペットも唐墨もトルコが発祥の地あるいは本場だという。宗教も、ゾロアスター教、キリスト教、ギリシャ正教、イスラム教などがトルコを経由して世界に広まっていった。

 現在のトルコでは、政教分離政策が採られ、宗教には寛容だが、国民の99.8%がイスラム教徒である。ソフトなスンニ派が8割で、イランのシーア派と対立している。

 日本との関係は古く、明治時代、オスマン帝国の時代に共通の敵ロシアを巡って同盟関係が築かれた。1890年、日本を表敬訪問していたトルコ海軍の軍艦エルトゥールル号が和歌山県串本町沖で遭難した時の日本人の献身的な努力が、トルコ人の心を捉え、国民の90%以上が日本を一番好きな国にあげているという。また共和国に生まれ変わった際も、日本をモデルにしている。さらに日本企業には特別な優遇税制などをしている。1985年イラン・イラク戦争でフセインがテヘラン爆撃を宣言した際、テヘランの在留邦人救出にトルコ航空を派遣してもらったり、3.11支援でも日本は大きな恩返しを受けた。

 カッパドキアでは、人類の歴史を超えた大きな自然現象に、人間の営みの小ささ・時間の短さを感じ、イスタンブールでは、様々な民族・宗教・文化・歴史という人間の営みの大きさ・複雑さ・重さを感じた。日本でも大きな時代の移り変わりはあるのだけれど、地球上には、ここまで複雑で流動的な地域があることを改めて認識した。日本は本当に安定的な国なのだ。トルコ共和国ができて89年、明治維新から144年。長いようで、人類の歴史からすれば短い。国のあり方も、国と国のあり方も、もっと流動的であっていいと、改めて感じた。こんなことを旅行中に考えさせてくれた現地ガイドのウミットさんに感謝。

 

2012年7月 5日 (木)

「成熟日本への進路」を読む

■波頭亮「成熟日本への進路ー『成長論』から『分配論』へ」ちくま新書2010を読んだ。

まず、本の結論の部分だけを簡単に整理する。

●ビジョンの不在
 ・時代に合ったビジョンへの転換ができていない⇒政策のダッチロールの原因

●日本は成長フェーズから成熟フェーズに変化
 ①90年以降、名目GDPは横ばい、実質GDPは成長率1%。1人当たりGDPは95年以降衰退。
 ②成長因子の消失=労働人口と労働時間の減少。資本ストック(貯蓄率)の低下。
          労働生産性の停滞(産業構造の高度化の遅れ)
 ③国民の生活への不安が高まる⇒社会保障や高齢化対策への要求拡大、
         幸せでない日本人、格差は小さいが相対的貧困者率が高い(14.9%)
●これからの日本の国家ビジョン
 ・「国民の誰もが、医・食・住を保障される国づくり」
 ・医療・介護無料化(13.5兆円)、全ての貧困者の生活保護(10.4兆円)

●国民の生活保障のための経済政策の主軸は、「所得再配分」
 ・国民負担率10%アップ(40%⇒50%)、米35%、英48%、独52%、仏61%
 ・財源確保は30兆円増税(消費税10%・金融資産課税0.5%・相続税20%)
 ・所得税・法人税は引き下げの方向
 ・間接給付(中間組織が勝手に運用)⇒直接給付(年金・手当・税金還付)

●GDPと雇用を確保する産業政策の主軸は「産業構造のシフト」
 ①景気対策はしない⇒土木建設中心の公共事業に経済効率・波及効果はない
           補助金等は、非効率な産業構造を温存し弱体化
 ②医療・介護・教育産業の拡充⇒規制緩和と労働条件の改善策⇒但しGDPの10%
 ②外貨を稼げる産業の育成(石油と食糧輸入のため27兆円必要)
    ⇒国際競争力のある高付加価値産業⇒ハイテク型環境関連産業が中心

●成熟国家に適した経済活力確保のための政策「市場メカニズムの尊重」
 ①毎年1%の生産性向上⇒市場の環境変化や顧客のニーズの変化への対応必須
            ⇒企業活動の自由度を上げる=規制緩和
 ②採用形態や解雇の自由度の高度化⇒生活保障があるので雇用保護はしない

●組織体制(=官僚機構)の変革は「政治主導」で
 ①政治家による官僚人事権の掌握⇒変化を拒む官僚による行政改革の骨抜き阻止
 ②特別会計制度(日本独特)の解消⇒自己増殖の資金源を断つ⇒会計制度の一本化
 ③メディアによる支援必要⇒官僚の傀儡機関を断つ⇒ジャーナリスト魂に期待

●国民の意識改革
 ①「互助と共生の価値観」の共有=弱者に厳しい国からの脱却、富める人の理解が必須

 ②政治への国民の責任意識と積極的な参画が必要

■ビジョンについて

 著者は、福祉国家である北欧諸国とりわけデンマークをモデルにしている。デンマークは、国民負担率70%にも拘わらず、国民の幸福度は客観的にも主観的にも、世界一であり、しかも1人当たりGDPは世界でも上位にある。高福祉高負担の国を築きながら、経済政策は社会主義の全く逆を行く、企業の自由度を最大限に尊重する政策を取っているところが重要である。

 一方、やはり高い成長率と1人当たりGDPを持ちながら、全く逆の政策を取っているのがアメリカである。先進国中で最低の国民負担率で、公的扶助は最低限にとどめ、自由と自己責任にもとづいた社会運営をしている。今までの日本はアメリカ型を志向してきたが、それで良いのかという問いかけでもある。

 アメリカとデンマークの共通点は、日本との違いでもあるが、2点あるという。一つは教育への投資が世界トップ水準であること。もう一つは、労働者を解雇しやすいことである。教育と自由が経済成長の必要条件である。日本は、雇用確保のために企業活動の自由が抑制されている。従って産業構造のシフトが難しい。社会福祉も教育も不十分である。

 アメリカは移民国家であり、成長の源である人口が増え続けているところが日本と異なる。また金持ちが社会貢献や寄付を積極的に行う精神風土があるから、最終的には国民負担率は日本より高いかもしれない。企業への規制が少ないから、市場の変化に対応しやすく新規事業や起業が活発である。解雇されても新しい仕事につきやすい。

 
 とはいえ、国民皆医療保険もなく、全て自己責任というのは厳しいし、行き過ぎの金融資本主義が大きな格差問題を顕在化させていることも事実だ。だとすれば、今モデルにすべきは、やはりデンマークかもしれない。

■増税と経済成長について

 社会福祉国家を目指すには、増税は避けられない。もちろん、そのためには福祉制度との一体改革でなければならないし、政府の無駄遣いを防ぐための、官僚制度改革も必要だ。また、規制緩和による経済成長策も一体でなければならない。増税だけを実施する野田政権は、官僚の思惑通りに動いているだけだから、増税分はおそらく福祉には回らない。

 福祉国家論の主張に乗るには、どうしてもクリアしておく主張がある。ジェームス・スキナー氏の「略奪大国」2011だ。波頭氏の主張と対比させると次のようになる。

 国民の幸福を大きくするのは、経済成長以外にない。ある人の財産を奪い、周りの人に再分配するという社会主義の略奪思想は、人の自由を奪い、人権を踏みにじり、経済成長を阻害するため、多くの貧困者を作り出す。法人税は反ビジネス政策である。所得税の累進課税は、略奪思想である。税金は、平等な消費税に限定すべきだ。

 福祉国家といえども、経済成長なしには成り立たない。規制を緩和し、自由度を高めれば、企業の努力が反映する。法人税を押さえれば企業業績も上がる。
 経済成長の源は生産性の向上であり、企業が生産性の向上を行うのは、厳しい競争があるからである。福祉国家といえども、競争原理は必要である。ここはスキナー氏の主張と矛盾しない。

 問題は企業家や経営者を中心とする金持ちが、高度な社会福祉の為に高い累進課税の所得税や金融資産税、高い相続税を認めるかどうかが鍵だ。

 スキナー氏も、社会全体が貧しい人たちの世話をすることを否定はしない。それは良いことだが、人を助けるかどうかはその人の自由意志であるべきだと言っている。困っている人を助けるのは金持ちの責任だ、義務だと言うから略奪思想だというのである。生活保護に安住して、働けるのに働かない人が増えていることを怒っているのだ。この主張は理解できる。

 金持ちつまりは企業家や経営者が、高度な社会福祉政策を支持し、高い税金を払ってくれれば良いのだが、そう簡単ではない。
 国民の多くは、金持ちではないから、高度福祉国家を目指す政党が支持される可能性は高い。民主党もそれに近いことを言ったから支持された。

 しかし問題は企業家や経営者はやる気を出すかだ。政府の反ビジネス政策、日銀の円高無策で、日本の企業はいまや皆、海外指向になってしまった。すべての企業が海外に出ていってしまう訳ではないにしても、日本経済が衰退すれば税収も上がらず、いずれ国は破綻してしまう。

 日本の企業家や経営者たちが、自分が儲けることだけでなく、日本の国民の幸せ、日本社会の繁栄を願う心があることに期待するしかないのだろうか。デンマークの金持ちはどう考えているのだろうか。波頭氏によれば、日本が世界で一番、弱者に厳しいという調査結果があり、彼も大変ショックを受けたそうだ。しかし、日本人は、自分が弱者として甘えることに厳しいだけだと解釈し、東日本大震災で日本人が見せた「絆」の強さに期待する。

 少々、頼りない結論だが、もっともっと日本人全体が、インターネット等を通じて、ビジョンについて議論を重ね、価値の共有化を図ることが何よりも重要ではないか。

 
■官僚制度改革

 
 政治家がいくら良い政策を立てても、それを実行する官僚機構が、言うとおりに動かなくては政策は実現しない。民主党が分裂し、政界がまた流動的になりつつあるが、官僚機構にメスが入れられない限り、日本に未来はない。

 官僚機構にメスを入れることができるのは、やはり政府であり政治家である。過去にこれができたのは小泉政権だけのようだ。しかし政権交代後に、見事に元に戻ってしまった。

 政治家に期待するしかないのだが、やはり国民が政治家にプレッシャーを与え続けるしかない。原発再稼働反対の市民の大きな声が首相官邸を包み込んだ。選挙が近い。誰が、どんなビジョンと政策を掲げ、そしてどのように官僚制度改革をしてくれるのかを、良く見極めねばならない。
 

2012年7月 1日 (日)

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2006ページ
ナイス数:53ナイス

■成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書)
著者は、経営コンサルタントらしく、ビジョン、戦略、組織・制度、精神風土と手順を踏んで、分かりやすく日本の進むべき路・やるべきことを説明していく。キーワードは、「成熟社会」である。日本は成長フェーズが終わり成熟フェーズに入ったにも拘わらず、成長神話から抜け出せないがゆえに、政策のダッチロールも、経済政策の非効率も、官僚機構の不毛も発生していると説く。今まで自分の頭の中でモヤモヤしていた日本の政治経済について、かなりスッキリと総括的に整理することが出来た。
読了日:06月28日 著者:波頭 亮
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20121514

■ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」
パソコンや読書でどうしても前かがみになり、首や肩が凝るようになった。姿勢を正しくしようとしても、いつの間にかまた猫背になっている。そんな悩みを解消できないものかと手に取った。4つの注意点。①胸一杯に深く呼吸する。②立つときは大腿骨に乗り、座るときは坐骨に乗る。③「腕の付け根は肩甲骨」を意識して大きく動かす。④「足の付け根は大腰筋の上部・鳩尾の下」を意識して大股に歩く。効果はありそうだが、さていつまで意識して続けられるかが問題だ。
読了日:06月20日 著者:小池 義孝
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19925461

■楊令伝 4 雷霆の章
方臘と童貫の戦いが始まった。死を望み突き進む70万の信徒の海にも動じなかった童貫が、自ら前線に立ち死にに行くという捨て身の方臘に不気味さを感じ、一旦引き下がるところが面白い。そんな方臘にますます引き込まれる呉用は、梁山泊に戻れるのだろうか。遼との戦いは決着が着き、宋と梁山泊との戦いが表面化してきた。楊令の元でますます強くなっていく花飛麟の今後の活躍ぶりも、楽しみだ。
読了日:06月20日 著者:北方 謙三
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19925298

■オーケストラの職人たち (文春文庫)
有名な指揮者である岩城さんは、偉ぶらない人だ。自分たちが表舞台で脚光を浴びていられるのも、裏方さんの素晴らしい働きによるものであることを知っている。好奇心旺盛な彼は自ら取材して、ステージ・マネージャー、オーケストラ御用達の楽器運送会社、演奏旅行に同行するお医者さん、写譜屋さん、ピアノの調律師、演奏会のチラシ配り会社の仕事を紹介している。裏方さんも素晴らしいプロであり、仕事に上下はないことを教えてもらった。さらに彼は、クラシックや演歌やロック等にも上下はない、好き嫌いがあるだけだと言う。素晴らしい。
読了日:06月15日 著者:岩城 宏之
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19778826

■これからの日本のために 「シェア」の話をしよう
デフレによる閉塞状態の日本では、慢性的な需要不足をいかに解決するかが大きな課題である。何しろ高齢者も若者もモノを買う意欲がない。著者は日本の消費や経済が「シェア」型に変化し始めていると主張する。社会の価値観が「モノを所有する」から「モノを共同利用する」、「コトを共有する」価値観に変化しつつあるというのだ。著者の「シェア」の概念は、シェアハウスやシェアカーに留まらず、かなり包括的だ。また統計的に明確に有意とは思えない部分もあるが、仮説としては面白いし、新しい社会の在り方を考える上で大いに参考になる。
読了日:06月06日 著者:三浦 展
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19562960

■楊令伝 3 盤紆の章 (集英社文庫)
ようやく、事態は大きく展開し始め面白くなってきた。南で方臘が宋への叛乱を起こし、北では金国と宋が組んで遼を追い込んだ。宋軍も南北に分かれ本格的な戦いに乗り出した。梁山泊の北の砦が完成し、楊令がやっと頭領になることを皆の前で宣言する。その場面が実にカッコいい。リーダーたる者、全員を圧倒する自信がなければならない。気力だけでも、武術の力量だけでもない。先の先まで読み切った上で下す的確な命令。そして同志への熱い想い。それが楊令の魅力に違いない。
読了日:06月06日 著者:北方 謙三
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19554055

■クジラの彼
なんで自衛隊?なんでラブストーリー?と思ったが、イメージが結び付かないところがやはり味噌だった。とりわけ女性の自衛官の仕事における強い顔と恋人の前で見せる弱い顔のギャップ。そんな意味で、「国防レンアイ」が一番グッときた。どこまでも我慢強く優しい男が、ある出来事をきっかけに一転ヒーローのようなたくましさを見せ、彼女は気づくというどんでん返し。最後に彼が残したメモの裏側の文が最高にカッコいい。たまにはスイーツを食べるのもいいもんだと思った。でも彼女が描く男たちはみんな優しいね。
読了日:06月02日 著者:有川 浩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/19451596


▼2012年6月の読書メーターまとめ詳細
http://book.akahoshitakuya.com/u/195601/matome

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »

お薦め本

  • 鈴木亘: 「財政危機と社会保障」
  • 波頭亮: 「成熟日本への進路」
  • 中野剛志: TPP亡国論
  • 増田悦佐: 日本と世界を揺り動かす物凄いこと
  • 古賀茂明: 日本中枢の崩壊

お薦めサイト

フォト
2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

無料ブログはココログ