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2012年10月 2日 (火)

2012年9月の読書メーター

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2029ページ
ナイス数:73ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/195601/matome?invite_id=195601

■告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
自分の子供を殺した生徒二人への中学教師の復讐という痛ましいストーリー。事件に関わる何人かの告白を通して、全容が明かになって行くという構成。告白する人が変わるたびに、事件の見方が変わり、新しい事実が知らされる。その展開が面白く、一気に読ませる。教師も生徒も、家庭が複雑で相当ねじれている。特に少年と母親との関係が丁寧に描かれており、ごく普通の関係が次第に壊れて事件に繋がっていく様が怖いが、執念深く生徒を追い詰める教師はもっと怖い。
読了日:9月23日 著者:湊 かなえ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22370209

■ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 (講談社プラスアルファ新書)
著者は、ニーチェを引用しながら民主主義や平等主義を否定している。人間は決して平等ではなく能力に応じて格差が出るのは当然であり、政治は優秀な指導者層に任せるべきだ。大衆は決して知的に成熟することはないから、選挙権を与えると衆愚政治になり、ファシストを選んでしまう。その危険性は今の政治家のレベルを観れば分かる。民主政治を続けるにしても、衆愚に陥らないよう二院制や三権分立のようなセーフティネットを堅守すべきだという。今、彼の主張に全面的に賛成することは出来ないが、考えるべき大きな課題を突き付けている。
読了日:9月19日 著者:適菜 収
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22283042

■凍りのくじら (講談社文庫)
主人公理帆子は、元カレ若尾の嫌な性格が分かっているのに手を切れない。二人に共通するのは「少し・不在」。人と繋がっていたいのに、いつも浮き上がっている自分。強すぎるエゴがぶつかりあって、事件を引き起こす。「テキオー灯」の光を浴びて、理帆子も喋れなかった郁也も立ち直る。人間関係における「喋ること」の大切さを思う。それにしても、著者の人間洞察力と心理描写は素晴らしい。「ドラえもん」をもっと良く知っていれば、もっと面白かったに違いない。それほど深い人生哲学が込められているとは知らなかった。
読了日:9月19日 著者:辻村 深月
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22267170

■ナショナリズムという迷宮 ラスプーチンかく語りき (朝日文庫)
佐藤優の幅広く深い知識に圧倒された。ナショナリズムとファシズムがどのようにして生まれたのか、勉強になった。ファシズムは、経済格差や恐慌不安を解決すべく国家が前面に出て資本主義をコントロールするシステム。国家が社会的弱者に対して、救貧政策による「いたわり」と、社会的強者を暴くことによる「清潔な政府」のイメージ操作に成功すると、弱者は国家と直接つながり、包摂されているという「帰属意識」=ナショナリズムを抱く。国家の実体は官僚であり、官僚はファッショ化しやすいとの指摘は鋭い。官僚とメディアの暴走には要注意。
読了日:9月17日 著者:佐藤 優,魚住 昭
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22233453

■自由と民主主義をもうやめる (幻冬舎新書)
タイトルは刺激的だが、あとがきで著者が言うように、自由も民主主義も無条件で良い訳ではないということ。自由には規律が必要であり、民主主義には国民の良識が必要である。それらがないと「放縦」や「衆愚」に陥る。規律や良識はその国の宗教・文化や歴史、その国の「価値」から切り離せない。進歩主義は、価値を崩壊させニヒリズムをもたらすが、日本における価値基準の混乱の原因もそこにある。著者は保守主義の立場から、米国の支配によって失った日本的な「価値」を取り戻し、混乱から脱するべきと主張している。
読了日:9月6日 著者:佐伯 啓思
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21897278

■楊令伝 8 箭激の章 (集英社文庫)
激しい戦いが始まった。そんな中で、花飛麟と扈三娘が結ばれようとは思いもしなかったが、悲しい運命が待っていた。それにしても梁山泊軍が圧倒的な兵力差を撥ね退けて宋禁軍に勝つには、どう攻めるのだろう。いくら梁山泊軍に調練された兵や用兵の上手い指導者がいても、正面から対峙しては負けは目に見えている。結局、動きの掴みにくい楊令軍や史進軍の奇襲頼みにならざるを得ない。それでも先を読んだ童貫の策にはまり張清が岳飛に倒された。一人また一人と指導者を失っていては勝てない。楊令はどう戦おうとしているのか、先が読めない。
読了日:9月5日 著者:北方 謙三
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/21863501

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