« 「メイドインジャパン 逆襲のシナリオ」を観た | トップページ | 2012年10月の鑑賞メーター »

2012年11月 1日 (木)

2012年10月の読書メーター

2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2425ページ
ナイス数:56ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/195601/matome?invite_id=195601

■新しい世界観を求めて
同じ戦後先頭世代で活躍している二人の対談集である。佐高氏が困難に立ち向かう人間に応援のメッセージを放つのに対し、寺島氏は時代や世界という大きなテーマで、全体の体系化を試みるという違いはあるが、ともに魯迅や石橋湛山のリベラルな思想に共鳴している。アメリカを通じてしか世界を見なくなってしまった戦後日本人への危機感から、戦後の歴史を振り返り、リベラルな思想すなわち絶対的な価値に寄りかからず、自分の頭で何が正しいかを常に考え、孤高を恐れず発言することの重要性を論じている。戦後の歴史観は大変参考になった。
読了日:10月28日 著者:佐高 信,寺島 実郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/23285622

■不愉快な現実  中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書)
大使経験の長い著者は、今日本に求められているのは、「①中国は、経済・軍事両面で米国と肩を並べる大国になる。②米国に依存するだけで日本が繁栄する時代は終わった。」という事態を直視し、それを踏まえて新たな外交戦略を出すことだと言う。日本は東アジアとの連帯なくして経済的繁栄はないのだから、領土問題で争うより、複合的相互依存関係に持ち込むべきだ。利益のため中国重視に切り替えた米国が、日本を守るために中国と軍事的に対決することはないとの主張は説得力がある。米国の圧力に負けて隷属しているのは国益に反すると思う。
読了日:10月16日 著者:孫崎 享
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22967608

■蒲生邸事件 (文春文庫)
予備校の試験を受けに上京した主人公は、ホテルの火災に巻き込まれるが、時間旅行者に助けられ、58年前の昭和11年、歴史的な2.26事件の当日にタイムトリップする。未来からやってきた人間は、歴史を変えることが出来るが、個々の事実を変えたところで、それは取り替え可能な部分に過ぎないから、歴史の流れを変えることが出来ない、という歴史観が面白い。時間旅行の能力を持っても、人間はどうも幸せになれそうもない。細部が丁寧に描かれており、物語が非常にリアルに感じられるので、非日常的な展開にもぐいぐい引き込まれる。
読了日:10月9日 著者:宮部 みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22783387

■非常時のことば 震災の後で
3.11の震災後に、ことばや文章に対する感じ方・考え方がどう変化したかについて書いている。「ことば」に対する抵抗が強くなったが、それでも喋ること、書くことを大切にしたいという強い意志を感じた。普段私たちが喋っている時、実は考えて喋っているのではなく、教わったことを喋っているだけだという指摘は耳が痛い。自分の感情や社会の風潮に流されないよう、冷静に自分の奥底を覗き込んで何かを見つけるべく、兎に角書くことが大切だという主張に共感する。多くの文章が引用されているが、何をどう読み取るべきかも教えてくれる。
読了日:10月7日 著者:高橋源一郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22726495

■大阪維新で日本は変わる! ? (ベスト新書)
国民が納める税金77兆円のうち30兆円(40%)が公務員3百万人(5%)の人件費で、給料水準は民間の1.6倍であるという。天下り先や事務費等の無駄も含めると税金の約半分を景気とは関係なく公務員が使っている。日本は「官富民貧」の国だ。民主党は公約の2割カットで7兆円を捻出するはずが、官僚に取り込まれて増税を決め自民党と同じになった。官僚と闘って「公務員改革」と「税金のムダ遣い阻止」を実現できるのは「維新の会」しかなさそうだが、彼らも万全とは言えない。余命3年の日本は、多党大連立で行くしかないと主張している。
読了日:10月2日 著者:福岡 政行
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22614856

■楊令伝 9 遥光の章
もう少し読んでいたかった禁軍との戦いが、あっけなく終わってしまった。楊令は宋との戦いを深追いせず、拡大した梁山泊の領土内の国づくりを始めた。疲弊した民の生活を建て直し、税金の安い「いままでなかった民の国」をつくろうという楊令の志が素晴らしい。しかも一番重要な資金を、日本の砂金と西域の物資を仲介することで得るという壮大な構想を描き、その実現のために手を打ち始めた。さすが、楊令はただ者ではない。宋の開封府の陥落も近い。岳飛はどうするのだろう。青蓮寺の李富の動きが不気味だ。
読了日:10月2日 著者:北方 謙三
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22612916

■今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)
libertyは抑圧的な支配からの自由=解放、freedomは共通善をともに探究する政治的共同体における政治的自覚を持った市民の自由。二つの自由は近代市民革命から生み出されたものだが、どちらを取るかが両陣営に共通の東西冷戦の前提だった。アーレントは、後者の自由を、人間性を多元的に発展させるものとして擁護する一方、右であれ左であれ、「人間性」を自然に根差すと一義的に規定し、人民を最終的な解放へと導こうとするような思潮は、敵対する者を排除して多元的な人間性を破壊し、全体主義への道を開くものだと主張する。
読了日:10月1日 著者:仲正 昌樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/22577557

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

« 「メイドインジャパン 逆襲のシナリオ」を観た | トップページ | 2012年10月の鑑賞メーター »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/574388/56020185

この記事へのトラックバック一覧です: 2012年10月の読書メーター:

« 「メイドインジャパン 逆襲のシナリオ」を観た | トップページ | 2012年10月の鑑賞メーター »

お薦め本

  • 鈴木亘: 「財政危機と社会保障」
  • 波頭亮: 「成熟日本への進路」
  • 中野剛志: TPP亡国論
  • 増田悦佐: 日本と世界を揺り動かす物凄いこと
  • 古賀茂明: 日本中枢の崩壊

お薦めサイト

フォト
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック

無料ブログはココログ