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2013年2月

2013年2月14日 (木)

「会田誠展」を観た

 「天才でごめんなさい」と銘打った会田誠の美術展に行ってきた。彼は実に様々な題材・手法・素材を用いて、自由奔放な表現活動をしている。それらが凄い作品なのか、思いつきのお遊びなのか、真面目なのか、ふざけているのか良く分からない。確かに面白いのだけれど、支離滅裂な感じで何を言いたいのか良く分からないと思うのは、観る者が凡人だからか。

 「美術は思想ではなく表面だ」というようなことを本人が言っているのだから、作品に深い意味はないのだろう。面白く感じればそれでいいのかも知れない。ただ、全体を通して感じられるのは、常識ではありえない組み合わせによる異化効果だ。

 日本の伝統と現代の融合、上品なものと下品なもの対比、シリアスなものとポップなものとの混在などがかなり意図的に組み合わされている。浮世絵・屏風絵・火炎の額縁・盆栽・花鳥風月などと、現代のアニメ・漫画・TV・ネット・美少女・エログロ・怪獣・広告チラシなどが、一見、馴染んだように組み合わされているが、よく見ると違和感だらけなのだ。

 気に入ったのは襖を使ったたくさんの屏風絵。特に良かったのは、銀屏風に描かれた「電信柱とカラス」という大作。銀に黒の色彩、大胆な構図、濃淡による遠近法、確かな技術に裏付けられた対象の繊細な描写。何やら不吉で廃墟のような侘しさを感じる題材なのに、壮大な山水画のような風格がある。きっちりと既成の美学に収まっているように見えて、内容は異端。そのアンバランス、不安定感が心を揺さぶる。

 完成度が高いものから、単なる思い付きとしか思えないものまで、その振幅の広さにもついていけない。やはり天才なのだろうか?

2013年2月11日 (月)

結婚前の同棲が常識?

 きのう長男が新居に引っ越して行った。彼女と同棲を始めるのだ。結婚を考えてはいるがその前に同棲してお互いにもっと理解しておきたいのだそうだ。彼女の通勤先が実家から遠いので、もっと近い所に住みたいというのが引き金となった。

 最初、その話を聞いた時は信じられなかった。団塊世代の親としてはとても理解できない。昔、北欧では結婚前の同棲は当然と聞いたことがあったが、日本もそうなっているとは、俄かには信じがたかった。かみさん共々、まずは反対した。せめて正式に婚約してからにするよう忠告したが聞き入れない。

 たびたび同じことを繰り返して言うと、喧嘩になった。親の価値観で判断しないで理解して欲しいと言う。彼女も了解していると言うので、「無理にうんと言わせたのではないか?」と聞くと、彼女もそうしたいと言っているのだそうだ。そう言われると、「けじめは早くつけろ」「無責任なことはするな」と言うのが精一杯で、あとは目をつぶるしかなかった。

 
 頼りないとは思っても息子ももう30過ぎだし、紹介された彼女は気立ても良くシッカリした娘さんだったから、結婚すると言う話ならかみさんも自分も大賛成だった。息子も彼女の家に何回か遊びに行っており認知されている。彼女の御両親は同棲に反対していないと言うが本当かどうか分からない。無責任なことはしないだろうと信じるしかない。

 引っ越しの手伝いをして、息子を送り出したが、何とも中途半端で妙な気分だった。100%結婚すると決まったわけではないから、お祝いの言葉も掛けられない。彼女の御両親に挨拶できないのも気持ちが悪い。同棲と言うのは、結婚と言う責任を取りたくない、あるいは取れない男が女性を拘束する手段だと思う自分にとっての常識はもう古いのだろう。

 ネットで調べてみて驚いた(ゼクシーnet)。 カップルの70%は同棲を経験してから結婚しており、今や結婚前の同棲は常識なのだそうだ。「結婚してから後悔しないようにするため」と理由は実に合理的だ。別のサイトに書いてあったように、「同棲は恋愛の墓場」となって、結婚に至らないことが多いのではと心配するのだが、実態はそうでもないらしいので少し安心した。いずれにしても、分からないことに対しては、「上手く行きますように」と祈りつつ見守るしかない。

2013年2月 2日 (土)

2013年1月の読書メーター

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1555ページ
ナイス数:126ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/195601/matome?invite_id=195601

■海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
父親との暮らしから逃げて家出をした少年カフカ。戦時中に山梨で起きた児童集団失神事件。高松の甲村図書館での少年の生活と8日目の事件。知能障害者ながら不思議な能力を持つナカタさん。興味深い話が細切れに並行して展開するが、それらが徐々に繋がってくる。しかし夢なのか現実なのか分からない世界が入り混じる。カラスと呼ばれる少年?処刑機械?父親の死は、ナカタさんの事件やカフカの事件、父親の予言と関係があるのか?「海辺のカフカ」の暗示するものは何か?謎は深まるばかり。「夢の中から責任は始まる」が引っ掛かる。
読了日:1月29日 著者:村上 春樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25654424

■いまだ人間を幸福にしない日本というシステム (角川ソフィア文庫)
日本は、建前は資本主義・民主主義だが、実態は社会主義・官僚主義でまだ民主化されていないという指摘は今まで多数あったが、更に「舵とり」のいない「国家なき国」であり近代国家ではないとの指摘は鋭い。政策を立案しているのは、政治家ではなく官僚たちだが、説明責任も選挙もない彼らは省庁のために既定路線を維持しているだけで、国や国民のために働いてはいない。また省庁間の調整をする人間もいない。その結果、戦後復興の産業最優先の政策が生き続け、日本の個人や家族の生活を貧しいものにしているという指摘は全く正しいと思う。
読了日:1月27日 著者:カレル・ヴァン・ウォルフレン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25602333

■第二の敗戦期: これからの日本をどうよむか
08年の「これからの日本をどうよむか」というテーマのインタビューをまとめたもの。国家の存在感がない日本、格差社会となった今の日本に対し、著者が敗戦期に感じたのと同じ挫折感・悲しみを感じるということか。著者は、社会を変えるには上からするのではなく、下から庶民が仲間と日常的な問題に取り組む方が良いと説く。人間は皆平等、戦争はすべて悪、死刑は非人間的、天皇の役割は終わった、個人の利益追求は自由、政治が格差是正で平等を、などが語られている。全体に分かりにくい文章だが、著者の状況への考え方が概略分かる。
読了日:1月18日 著者:吉本 隆明
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25323827

■楊令伝 13 青冥の章
簫珪材と岳飛の戦いは、読む方も緊張の連続で息が詰まる。帝を失った二人は何のために戦うのかに悩みながら戦う。ともに楊令と違って戦い自体が好きだから、国や民を位置づけられない。宣賛の「他人の物を欲しがる奴、人の上に立ちたがる奴がいることで国が作られていく。」という見方が面白い。権力者たちが富の源泉である民を奪い合い囲い込んで国を作るのだ。だが梁山泊は違う。国による交易が富を生む理想の国だ。それは何時まで続くのだろうか?岳飛は民を賊徒から守るために民から苛酷な税を徴収し失敗した。勢力図が大きく変わり始めた。
読了日:1月16日 著者:北方 謙三
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25294992

■「自己啓発病」社会(祥伝社新書263)
小泉政権はスマイルズの『自助論』を推奨し、「国に頼るな」と説いた。その影響で自己啓発ブームが起こったが、それは「利己的自助」の勧めであって、スマイルズの「利他的自助」を含む論をゆがめたものだと著者は言う。新自由主義は格差社会を生み出し古い互助社会を壊したが、競争社会の底に相互扶助し合う本来の社会が生きていたことを、東日本大震災が教えてくれた。一方で、勤勉が成功に結びつく成長の時代は終わった。自助と他助が表裏一体の協同社会と自発的・自足的な自助のしくみづくりが必要だという著者の意見は傾聴に値する。
読了日:1月5日 著者:宮崎 学
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/24961212

▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

1月の鑑賞メーター

1月の鑑賞メーター
観たビデオの数:4本
観た鑑賞時間:497分

■BRAVE HEARTS 海猿 プレミアム・エディション [Blu-ray]
海上保安庁の特殊救難隊が羽田沖に海上着水したジャンボ機から剰員を救助する話。「希望がある限り絶対に諦めない」と熱く主張する主人公の仙崎大輔に動かされて、周りの全員が救助に向け全力で協力する姿に感動した。仲間の遺体を探しに行く最後の場面では涙が止まらなかった。いつも無茶をする大輔に対し、救助に必要なのは「スキルと冷静な判断」と彼を説教していた上司が、最後は「勇敢な心」も必要だと認めた。自分の命を懸けて人の命を救おうとする行為は、理屈抜きで人の心を揺さぶる。このシリーズを初めて観たが期待以上だった。
鑑賞日:01月20日 監督:羽住英一郎
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/2010273

■トータル・リコール(初回生産限定) [DVD]
人間の脳に記憶を自由に植え付けることが出来るような近未来のSF映画。工場労働者の主人公は退屈しのぎに諜報員の記憶を埋め込んでもらう。その最中に何者かに襲われ追われるようになると、以前から夢の中で見ていた追われる自分との区別が分からなくなって来る。ロボットの軍隊に追われ、超立体的に張り巡らされた建物や道路やエレベーターの間を逃げ回る。息をつく暇がないほどのスピードで展開するアクション、数々のピンチに興奮しっ放し。描かれた未来の科学や都市は凄いが、地球に住む場所もなくなるほど争いを続けている人間も悲しい。
鑑賞日:01月14日 監督:レン・ワイズマン
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1995553

■コクリコ坂から 横浜特別版 (初回限定) [Blu-ray]
ジブリ作品なので期待してテレビで観た。絵も音楽も素晴らしかったが、映画としての出来はやや期待外れだった。恋愛における障害は付き物だが、それを乗り越えるための苦難や努力が大してあったわけでもないから、盛り上がらないのは当然かも知れない。原作がそうだからなのかも知らないが、再構成する際にもっと観客を感情移入させる工夫が出来たのではないか。障害となる事実を知った二人の苦しみの大きさも伝わらないし、真実の明かし方ももっと劇的にできたのではと思う。汚れたカルチェラタンの雰囲気は好きだが。
鑑賞日:01月12日 監督:宮崎吾朗
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1987960

■レ・ミゼラブル
ユーゴーの小説がミュージカルとなって世界中で上演されていたものの映画化。キャストも素晴らしく、俳優が皆生で歌っていて惚れ惚れする。歌に聞き惚れているとシリアスさがやや薄れる感じだが、バルジャンの死に際に愛するコゼットと恋人が駆けつけた場面ではしっかり泣けた。若者たちの革命は失敗に終わる。あれほど虐げられているにも拘わらず、民衆は立ち上がらなかったからだ。だがそれは無駄死にではないと思いたい。自由は命を懸けて勝ち取るものということをその後の歴史が証明しているから。日本には欠けている世界を垣間見た。
鑑賞日:01月08日 監督:トム・フーパー
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1979294


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