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2013年8月 2日 (金)

2013年7月の読書メーター

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1728ページ
ナイス数:84ナイス

かたちの日本美―和のデザイン学 (NHKブックス)かたちの日本美―和のデザイン学 (NHKブックス)感想
浮世絵が印象派の画家たちに大きな影響を与えたことは有名だが、日本美術全体が19世紀の西欧に衝撃を与え、バウハウスを経て現代のグローバルなデザインの基礎になった、と著者はいう。「和のデザイン」は元々庶民の生活を豊かにするものであり、その造形原理は日本の豊かな自然に根差すダイナミックで変化に富んだものだったからだ。伝統的な日本人の美意識・自然観・ライフスタイルは、現代の「クール・ジャパン」につながっているだけでなく、環境重視の時代の世界をリードすると説く。やや出来過ぎの感があるが、勇気づけられる本である。
読了日:7月31日 著者:三井 秀樹
終わらざる夏 下終わらざる夏 下感想
下巻になって、この小説のテーマが明確になった。主人公は片岡でも三人でもなく、士官や兵隊、一般国民、そしてソ連の兵隊含め、登場する人物すべてだった。彼ら一人一人の目線から戦争を語らせ、その理不尽さを浮かび上がらせているのだった。さらに日本の無条件降伏後のあまり良く知られていないもう一つの戦争、そしてその戦後処理の理不尽さを、我々日本人に訴えることだったようだ。読みながら涙し、読み終って静かに怒り、そして著者に感謝した。歴史的事件がここまでリアルに心に刻み込まれれば、決して忘れることはないだろう。
読了日:7月24日 著者:浅田 次郎
終わらざる夏 中 (集英社文庫 あ 36-19)終わらざる夏 中 (集英社文庫 あ 36-19)感想
主人公片岡、菊池医師、富永軍曹の三人が、北の国境の島に到着し任務が明かされるところまでが描かれる。島で三人を迎える側の様々な人物が登場し、片岡の留守宅でも事件が起こる。中巻でも、富永軍曹の存在感が強烈だ。新兵たちへの精神訓話を求められ、本音をぶちまけた。そして参謀から任務を聞かされ、戦場で地獄を見てきた兵隊たちの気持ちを怒りに震えて代弁した。著者の戦争を憎む気持ちが伝わってくる。また校閲室長に語らせている「天皇の神格化は、明治政府の欧化政策の一環」という明快な意見に、強い感銘を受けた。
読了日:7月22日 著者:浅田 次郎
終わらざる夏 上終わらざる夏 上感想
太平洋戦争下、敗色が濃くなった日本では、本土決戦準備のため何度も大動員がかけられた。そんな中に、同じ任地に向かう洋書翻訳者の片岡、医師の菊池、鬼熊こと富永軍曹の3人がいた。それぞれ職業も年齢も異なる彼らの過去の描写を通して、当時の庶民が戦争や大本営参謀たちを如何に冷ややかに見ていたかが伝わってくる。皆、親子や夫婦の別れを悲しみ、働き手を失った家族の生活を憂えている。特に鬼熊軍曹の母親に対する強い想いには心を打たれた。これから千島列島の国境の島で一体何が起こるのか、彼らの特業種が如何に活かされるのかが見もの
読了日:7月7日 著者:浅田 次郎
あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)感想
太平洋戦争が何だったのかを史実を追って明らかにしようとした本。日露戦争の成功による軍部の増長、陸・海軍の張り合い、理念も戦略もない行動、対症療法、軍部をコントロールできない政治家、2.26の恐怖、思ったことを言えない天皇、メンツに拘る軍部エリートの失敗隠し、熱しやすく冷めやすい国民性、権力におもねるマスコミ、物量不足を精神力でカバー、玉砕主義、外交音痴、国民を切捨てる軍部、願望を事実と読み替えるなど。総括しないが故に、軍部が官僚になっただけで相変わらず同じことを繰り返している日本。日本人必読の書。
読了日:7月2日 著者:保阪 正康

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指原は月曜いいともで林先生に感想文の書き方教えてもらうんだろうな しおりとか何個も欲しいって人は多いだろう

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