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2013年9月 1日 (日)

2013年8月の読書メーター

2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:860ページ
ナイス数:100ナイス

憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書)憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書)感想
著者が言うように、「米国の言うことを聞けないのならば、米国は日本の安全を保障しない。それでもいいのか。」という米国の威嚇に日本が屈している限り、日本は主権無き国家だ。憲法で集団的自衛権が行使可能となれば、国連憲章を無視する米国のすべての戦争に巻き込まれて行く。日本が主権を取り戻し、憲法九条の精神を守りながらも中国や北朝鮮の脅威に対応するには、日米安保条約の抑止力に依存しない専守防衛に徹した独自の軍事戦略を持つしかないという著者の意見は傾聴に値する。これを政策とする政党がなく憲法改正が着々と進むのが怖い。
読了日:8月30日 著者:松竹伸幸
爪と目爪と目感想
すべて「わたし」の目を通して「あなた」を描いている文章だが、二人の関係は最初からこじれていて事件を予感させるので、一気に読ませる。しかし不思議な文体の小説だ。過去の幼い「わたし」が語っているように見えて、現在の大人の目で物事を淡々と語り、しかも「わたし」は「あなた」の内部に入り込んで内側から見たりするから、視線が入り乱れ、立体派の絵画のような不気味さが感じられるのだ。日常的な世界にも、未来が見えるいい目と現在しか見えない目から見える世界は全く異なり、そこに理解しあえない深い亀裂があることを教える。
読了日:8月22日 著者:藤野可織
経済成長神話の終わり 減成長と日本の希望 (講談社現代新書)経済成長神話の終わり 減成長と日本の希望 (講談社現代新書)感想
著者は米国の国際弁護士で現在立教大学教授。経済成長をゴールとする政策は、米国追随の新自由主義・市場原理主義・グローバリズムと一体であり、それが信頼と共助に支えられた日本の社会を壊すと警告する。この本の真骨頂は、GDPより人々の暮らしを優先する経済を作り上げるにはどうしたらよいのか、具体的に「減成長による繁栄」として提示している点である。それらは法律を改正すれば実現可能だが、そのためには日本人が民主的能力を発揮する必要があると説く。それで国民全体が暮らしていけるのか良く分からないが、考えるべき時機だと思う。
読了日:8月21日 著者:アンドリュー.J・サター
ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)感想
新自由主義政策による大企業優先の規制緩和・社会保障費削減がアメリカを貧困大国にしたと告発する。過激な市場原理で、大企業は国境を越え貧しい国を搾取し、安い商品が国内の雇用を奪い、中間層が崩壊して貧困層が拡大した。本来、国が責任を持つべき教育・医療・暮らしを民営化したため、貧困層は更に食いものにされ生存権すら脅かされ、生活苦から戦争に行くよう仕向けられた。格差拡大政策によって貧困層を量産し、戦争ビジネスを支えるという恐ろしいシステムが完成。日本がこれ以上アメリカ化しないよう多くの人に読んでもらいたい本。 
読了日:8月9日 著者:堤未果

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