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2013年10月16日 (水)

堤未果「(株)貧困大国アメリカ」を読む

同シリーズの第3弾で完結編。オバマ以降、一層ひどくなった貧困大国化が描かれる。政治家の口先やマスコミに騙されてはいけないと警告する。彼らはスポンサーである巨大多国籍企業や巨大銀行のために政策を決めるから、アメリカはもはや民主主義ではなくコーポラティズムだと断ずる。独占禁止法は解禁され、地域に根差した小規模産業を壊滅させ、1%の勝ち組が99%を奴隷のように収奪し使い捨てるシステムが完成した。これを世界に広げようとするのが自由貿易協定だ。すでにイラク、インド、韓国などが組み込まれた。次の標的は日本。

 読んでいると怖くてアメリカの食品を口にできなくなる。効率よく利益を上げるために成長剤が使われ農薬に耐えるよう遺伝子組み換えが行われる。家畜に至っては工場化で詰め込まれストレスで病気になると抗生物質づけになる。人間の身体にいいはずがないこれらの処置に対する規制はどんどん緩和される。小規模農家は巨大企業の下請けになり機械や農薬や種子や飼料を高い値段で買わされ、借金地獄に陥って自殺しか逃れる手段がない所まで搾り取られる。これを著者は「株式会社奴隷農場」と呼ぶ。これが世界に広がりつつある。始まった米国市民の反撃に希望の光を見る。

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