« 長男の婚約 | トップページ | 「里山資本主義」を読む »

2013年11月 6日 (水)

10月の読書メーター

2013年10月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1937ページ
ナイス数:133ナイス

仏の発見 (学研M文庫)仏の発見 (学研M文庫)感想
幼少期も現在も孤独と悲哀を経験したと言う二人が、自分の過去や作品を通して仏教とりわけ法然や親鸞について語る。二人は環境破壊や戦争を引き起こす現代の人間中心主義/科学的合理主義及びその背後にある、自然支配的で排他的なキリスト教的世界観に限界を見る。そして仏教の不殺生の戒律、大乗仏教の大衆救済思想、日本仏教の自然との共生思想、親鸞の悪人正機説等々に可能性を見ている。対談故に詳細はよく理解できないが、大きな構図は見て取れる。自分には宗教心はないが、人間が恣意で動かしている世界は滅びるという危機感は共有できる。
読了日:10月26日 著者:五木寛之,梅原猛
約束の地 下 (光文社文庫)約束の地 下 (光文社文庫)感想
物語は部下の不審死事件を中心としたミステリーモードになって一気に展開していく。そこに山の主のような巨大イノシシとの戦いが伴走する。クライマックスは息を呑む壮絶なシーンの連続だ。エンディングもホロリとさせる。人と人の絆の大切さ、親子の愛の深さ、人と犬の結びつき、自然の偉大さと人間の卑小さ、その自然を壊す人間、死のあっけなさ、死者への思い、残された者の哀しみ等々。盛りだくさんのテーマに対する作者の考えがさりげなく心に響き、大きな感動を呼び起こす。いい小説だった。2010年の大藪春彦賞受賞作。
読了日:10月19日 著者:樋口明雄
約束の地 上 (光文社文庫)約束の地 上 (光文社文庫)感想
主人公は環境省のキャリア。野生鳥獣保全監理センター八ヶ岳支所長に赴任してからの物語。いきなり二つの事件事故から始まり、その後も次々に事故が起こり、主人公とともに読む者も翻弄される。クマやイノシシによる農業や人間の被害。原因となった人間の環境破壊。動物保護派と害獣駆除派の対立。親の相克の影響を受ける子供たち。人間並みの感情を持つ狩猟犬たち。部下の不審な死。身近な死と共に生きる人間たち。無駄な死はない。山の動物たちを襲う新たな敵の発見。これらがどう収束して行くのか非常に楽しみ。シリアスなテーマながら面白い。
読了日:10月16日 著者:樋口明雄
(株)貧困大国アメリカ (岩波新書)(株)貧困大国アメリカ (岩波新書)感想
同シリーズの第3弾で完結編。オバマ以降、一層ひどくなった貧困大国化が描かれる。政治家の口先やマスコミに騙されてはいけないと警告する。彼らはスポンサーである巨大多国籍企業や巨大銀行のために政策を決めるから、アメリカはもはや民主主義ではなくコーポラティズムだと断ずる。独占禁止法は解禁され、地域に根差した小規模産業を壊滅させ、1%の勝ち組が99%を奴隷のように収奪し使い捨てるシステムが完成した。これを世界に広げようとするのが自由貿易協定だ。すでにイラク、インド、韓国などが組み込まれた。次の標的は日本。
読了日:10月15日 著者:堤未果
ひまわり事件 (文春文庫)ひまわり事件 (文春文庫)感想
同じオーナーが経営する隣接の老人ホームと幼稚園で起こった事件を描く。前振りが長く少々辛抱がいるが、事件が起こってからは一気に読ませる。老人不在の福祉や子供不在の教育の在り方に対する問題提起であり、不正や嘘に対して声を上げない人々への挑発である。ちょっと枠からはみ出した入居老人であり園児であるが故に、事件に関わることになった主人公たちへの著者の温かい愛情を感じる。また、子供たちに対する「置き土産を残していく義務」を自分はどう果たすべきかを考えさせられた。「三万本のひまわりが咲く姿」を想像するだけで心が躍る。
読了日:10月1日 著者:荻原浩

読書メーター

« 長男の婚約 | トップページ | 「里山資本主義」を読む »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/574388/58524826

この記事へのトラックバック一覧です: 10月の読書メーター:

« 長男の婚約 | トップページ | 「里山資本主義」を読む »

お薦め本

  • 鈴木亘: 「財政危機と社会保障」
  • 波頭亮: 「成熟日本への進路」
  • 中野剛志: TPP亡国論
  • 増田悦佐: 日本と世界を揺り動かす物凄いこと
  • 古賀茂明: 日本中枢の崩壊

お薦めサイト

フォト
2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

無料ブログはココログ