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2013年11月12日 (火)

「里山資本主義」を読む

   グローバル市場に流入した投機マネーは、資源価格を不安定なものとし輸入依存の大量生産型産業を揺るがしただけでなく、国家の安全も危うくした。

  それに対し身近にある休眠資産を最新技術で再利用して食料・エネルギーの自活を目指すのが里山資本主義であり、これをマネー資本主義のリスクや歪みを補うサブシステムとして提案している。

  すでにオーストリアは脱石油・脱原発を掲げ、木を徹底利用して経済の自立を目指しており、日本でも中国地方で自活の試みが始まっている。そこには金では得られない豊かで楽しい暮らしや絆があると説いている。

   経済は今、基本的な方向を見直す時期が来ているようだ。里山資本主義という言葉が妥当かは別にして、本書が示唆するように日本の産業は、物質的な豊かさと安さを求め、そして投資マネーに振り回され始めた大量生産型産業から、人間らしい暮らしを求め自然や人との絆・地域や人の個性を大切にした少量多品種型産業・地域自立型産業への転換を目指すべき時だと思う。

  また藻谷氏が言うように、コストを価格転嫁できるようなブランドを創出し賃上げできるビジネスモデルを構築することこそが、デフレ脱却の本道だと言うのも納得できる。とても勉強になった。

(藻谷浩介+NHK広島取材班 2013 角川oneテーマ21)

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