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2014年3月 2日 (日)

2014年2月の読書メーター

2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2563ページ
ナイス数:114ナイス

世界と闘う「読書術」 思想を鍛える一〇〇〇冊 (集英社新書)世界と闘う「読書術」 思想を鍛える一〇〇〇冊 (集英社新書)感想
二人の知の巨人が、日本が抱える問題毎に読むべき本を対談で紹介し合う。テーマは、宗教・民族と国家、家族と国家、戦争・組織、日本とアメリカ、沖縄・差別の構造、日本・日本人、文学・評伝・文芸批評、社畜とブラック企業等。二人の思想は全く異なるが、人権派の佐高は佐藤を「危険な思想家」だが、「反ファッショを目指すことでは一致している」と言い、佐藤は佐高を「利他的な性格の人」だとして、利他性が「悪を克服するための力になる」と評価する。対談は、その共通性と違いを明らかにして興味深いが、膨大な本のリストは良き羅針盤となる。
読了日:2月28日 著者:佐高信,佐藤優

穴感想
夫の転勤に伴い山間部にある夫の実家の隣に住むことになった主婦のひと夏の不思議な体験を淡々と綴った物語。環境変化により彼女に生じた心の不安を描写する。仕事を止めたこと、田舎の不便さ、金を誤魔化す姑、ボケ始めた義祖父、会話の少ない夫、田舎の仕来たりや近所の眼が、不安に拍車をかける。穴と黒い獣とは、心の空虚とその原因の象徴のようだ。引き込む文章の力は凄いが、ドラマ性はなく感動もない。最後のシーンだけはちょっといい。文芸春秋の 「突っ込みが足りない」という、小川洋子と高樹のぶ子の選評がしっくりきた。
読了日:2月27日 著者:小山田浩子

ロスジェネの逆襲ロスジェネの逆襲感想
テレビの「半沢直樹」の続編。東京中央銀行から子会社の証券会社に左遷された半沢が、そこでも大活躍。証券市場での生き残りをかけた企業間の熾烈な戦いの場で、自分たちの取引を横取りした親会社を相手に、「やられたら、倍返し」をする。矛盾や理不尽を批判するだけでなく、誰もが納得する答えを出すために徹底的に調べ上げるところがすごい。既得権益者からは嫌われるが、彼は人事を恐れず、あくまでも顧客を守るために自分の人生を賭けて仕事をするから強い。仕事人の鑑であり憧れでもある。スピード感ある展開が続くので一気に読み終える。 
読了日:2月23日 著者:池井戸潤

砂の王国(下) (講談社文庫)砂の王国(下) (講談社文庫)感想
主人公が立ち上げた新興宗教ビジネスは、軌道に乗り組織は拡大し続けるが、彼は組織から浮き始め、最後は追われる立場になる。会員を増やすための戦略、会員が信仰にはまって行く様、組織が自立し彼が追い詰められていく様子などがリアルに描かれているが、人間の弱さや組織の怖さを的確に捉えていて抜群に面白い。世間に復讐するつもりでやったことが成功したが故に自分を苦しめるという矛盾。どうやら出発点で間違ったようだ。元の木阿弥になってしまうのだが、何故か主人公と共に、読者も解放されたような爽やかな気分を味わうことになる。

読了日:2月19日 著者:荻原浩
修業論 (光文社新書)修業論 (光文社新書)感想
合気道七段の著者が、「修業」というものを知らない現代の若者に向けて書いたもの。修業の目的は、現代風に言えば、想定外の危機的な出来事に遭遇した時に適切な対応ができる力をつけることである。武道では、相手を想定外な状況に追い込んで、技を掛けた方が勝つ。逆に言えば、相手の気を感じて動きを読み、なすべきことを瞬時に判断することで生き延びることが出来る。そのためには、自我を脱ぎ捨て身体感覚を研ぎ澄まして状況を把握し、他者と融合して一つの動きにまとめる力が必要だという。しかし修業者でない者には難解だ。 
読了日:2月14日 著者:内田樹

砂の王国(上) (講談社文庫)砂の王国(上) (講談社文庫)感想
大手証券会社のディーラーだった男が解雇されホームレスになるが、どん底で出会った男たちと組んでなんとか起死回生を図ろうという話。仕事がなければ最後はこうなるという怖いもの見たさ。今に見ていろという意地と、占い師と超美男ホームレスから新事業を思いつく発想力を持って、大穴狙いの一発にかける面白さ。大失敗か大成功か。タイトルからして最後は崩壊しそうだが、上巻で軌道に乗り始めたビジネスでどう王国を築くのか、下巻が楽しみ。
読了日:2月6日 著者:荻原浩

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