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2014年4月15日 (火)

水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」を読む

 著者は、「長い16世紀」のイタリアで起きた「利子率革命」が、中世封建制の終焉と近代の幕開けの兆候であったことから、日本で続く超低金利が近代資本主義の終焉のサインであると説く。

 資本主義とは、余剰利益を再投資し資本の自己増殖を推進する仕組みだが、「中心」が利潤率を高める事ができたのは、収奪できる「周辺」が存在したからである。

 今や地球上に「周辺」が少なくなったため、延命のため国内に貧困層という「周辺」を創り出して利益を確保し、その結果、民主主義を崩壊させたのだと言う。やや強引ながら単純明快な理論はかなり分かり易い。

  電子・金融空間を開拓し資本主義の延命を図った米国はリーマン・ショックで破綻し、近代化を目指した新興国も先進国の消費低迷で輸出が行き詰まり、技術で世界を制した日本は、欧米に先行して資本主義の臨界点に達しバブルになった。政治的に国民国家を超えようとしたEUも資本を抑制できず欧州危機に陥った。

 今や資本の使用人となった国家の成長政策は、財政危機とバブルをもたらし、雇用を犠牲にしながらグローバル資本に富を集中させる。

 民主主義を守るために、グローバル資本の暴走にブレーキを掛けつつ、安定したゼロ成長社会を構想するしかないと説いている。

 最近起こっている様々な出来事の本質を、すっきりと整理してくれた。

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