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2014年5月 7日 (水)

2014年4月の読書メーター

読んだ本の数:4冊

読んだページ数:1094ページ
ナイス数:131ナイス

沈黙 (新潮文庫)沈黙 (新潮文庫)感想
切支丹禁制の時代に、布教のため日本に潜入したポルトガル人司祭の苦悩の半生を描いた物語。読者は、司祭と共に隠れ切支丹の百姓たちへの迫害や拷問の苛酷さを知り、裏切りにより追われる身となった司祭と共に緊張を強いられる。拘束された後も、司祭の心の動きを通じ、人間の精神的・肉体的な強さ・弱さの現実に付き合わされる。神が何のために人間に試練を与え沈黙するのか、答えを見つけられないままに究極の選択を迫られた司祭が最後に見つけた答えは、基督者ではない私の理解を超えているものの、取った行動にはそれが人間だと強く感じた。
読了日:4月28日 著者:遠藤周作                                       

和解という知恵 (講談社現代新書)和解という知恵 (講談社現代新書)感想
必要に迫られて一気読みした。「訴訟」になれば、100対0の勝ち負けになり、人間関係は崩壊するが、「和解」であれば互いに納得し権利に相応する解決が可能である。しかし、和解に至るプロセスが難しい。著者によれば、争いの原因はほとんど言葉が届いていないから起こるので、和解とは言葉を相手に届け原因である齟齬を取り除くことであるという。そのためには理性的に和解のメリットを考え、争いをやめる心境になることが先決だという理屈は良く分かるが、難しいのは怒りや嫌悪や不安などの感情を鎮めること。そこは調停者の役割だろうか。
読了日:4月24日 著者:廣田尚久                                                                                                                                                                                                                        
対岸の彼女 (文春文庫)対岸の彼女 (文春文庫)感想
専業主婦から一念発起して働きに出た小夜子と、その会社の社長で独身女性の葵の二人の対照的な生き様と関係を描いた小説。物語は、現在の小夜子と高校時代の葵の二つの視点で交互に展開していく。過去の葵は、現在の小夜子に似て、前に踏み出すことをためらう性格だったのだが、ナナコに出会うことで変わった。学校であれ、職場であれ、家庭であれ、息詰まるような日常から抜け出すには、一歩前に踏み出すこと、人に出会うこと、それが自分を変える力になることを伝えている。また男の目からは見えない世界を見ることができて興味深い。
読了日:4月17日 著者:角田光代                                                                                                                                                            
資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)感想
著者は、「長い16世紀」のイタリアで起きた「利子率革命」が、中世封建制の終焉と近代の幕開けの兆候であったことから、日本で続く超低金利が近代資本主義の終焉のサインであると説く。資本主義とは、余剰利益を再投資し資本の自己増殖を推進する仕組みだが、「中心」が利潤率を高める事ができたのは、収奪できる「周辺」が存在したからである。今や地球上に「周辺」が少なくなったため、延命のため国内に貧困層という「周辺」を創り出して利益を確保した結果、民主主義を崩壊させたのだと言う。やや強引ながら単純明快な理論は分かり易い。
読了日:4月12日 著者:水野和夫

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