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2014年9月

2014年9月 5日 (金)

2014年8月の読書メーター

2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1329ページ
ナイス数:137ナイス

夜明けの街で (角川文庫)夜明けの街で (角川文庫)感想


不倫を題材にしたミステリー。不倫する奴は馬鹿だと思っていた主人公が、どうしようもなく不倫にのめり込んで行く様子が面白い。不倫関係の深まりとともに、妻にバレないかという緊張感が、いつ妻に離婚を切り出すかの緊張感に変わる。しかしこれはミステリー。最初から殺人事件が絡んでいる。もし不倫相手が殺人犯だったとしても一生を懸けられるかという苦悩が絡んでくる。事態はより深刻だが、男は馬鹿だから突っ走る。しかし、愛人も妻も女だから、したたかで強い。事件も不倫も意外な結末を迎え、読者を唸らせる。
読了日:8月22日 著者:東野圭吾

戦争末期に日本で実際にあった衝撃的な米軍捕虜生体解剖事件を題材にした小説。読むのが息苦しくなるような内容だが、著者が見つめているのは一貫して、参加した者たちの心の有り様だ。なぜそのような惨いことを平気で行えたのか。良心の呵責が無かったのか。対照的な二人の医師の反応のうち、戸田の反応のし方が、自分の心にも潜んでいることを痛感させられ苦しい。悪いことだと知りながらも、皆がやるならばとか、罰せられないならばとか、誰も見ていなければとかいった心理。罪の意識の欠如は、神なき日本人には普通のことなのか。重い問いかけ。
読了日:8月18日 著者:遠藤周作

山形出身のタキが、昭和初期の東京で女中奉公をした体験を引退後に綴り、そのノートを甥の次男の大学生健史が読むという物語。その家庭の日常が延々と綴られ、当時の生活は興味深いものの、その冗長さにイライラが募る。だが終章では一転して、タキが亡くなった後、社会人の健史が、ノートの謎解きをして読者を納得させる。家の中で守られていた平和な愛の世界が綻び始める変化に、社会が戦勝に沸き立っていた事変の頃から太平洋戦争での破局に向かう状況の変化を、巧みに重ね合わせている。「小さいおうち」に込められた「愛」への愛を感じる。
読了日:8月17日 著者:中島京子

天才少女画家ともてはやされた高校生純子が、雪の阿寒で自殺。20年後、同級生で恋人だった作家が、当時純子が関係していた4人の男と姉に話を聞き、彼女がなぜ死んだのかを探って行く。前段では、4人の男たちが小悪魔的な彼女に憑りつかれ翻弄され裏切られる様が小気味よく展開するのだが、5人目の医者のあたりから謎解きが始まり、姉の話の章で終わる。良く計算された筋書きで一気に読ませた。終章は蛇足の感。本音とウソの見分けがつきにくい女性の怖さが良く出ている。だが作者は、簡単に騙される男の愚かさを愛おしんでいるかのようだ。
読了日:8月4日 著者:渡辺淳一

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