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2015年12月

2015年12月 2日 (水)

2015年11月の読書メーター

読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1164ページ
ナイス数:175ナイス



ステップファザー・ステップ (講談社文庫) 宮部みゆき 「ステップファザー・ステップ 」


 プロの泥棒が主人公の7編のシリーズ短編集。

 しかも彼は訳あって両親に捨てられた双子の男の子の疑似父となる。

 3人が巻き込まれる事件の面白さもさることながら、奇妙な父子関係が変化する様子も見もの。

 疑似父役を最初は嫌がっていた主人公に、親としての感情が次第に生まれ始め、ホロリとさせられる。見かけの模倣が中身も変えてしまうのだ。

 そういえばこの小説全体が、入れ替わり可能な双子、なりすまし、鏡、コピーの町暮志木、模写札と偽札など、本物vs偽物をテーマにしているようだ。

 見かけに騙されるなという事だろうか。
読了日:11月28日


■ 起業家の時代が来た―若者よ起業しよう!嶋田高司 「起業家の時代が来た―若者よ起業しよう!


 著者はアメリカで起業して成功させた会社を売却し57歳で引退した方。2002年刊行だが、その認識は全く古くない。

 行き詰った日本を変えるのは若者の起業であり、そこに教育や研究等のインフラに積極的な投資をせよと説く。

 富の活用方法を知らない日本は、国民が蓄積した富をアメリカの国債に使っただけ。これでは国民は豊かさを実感できない。

 カギは、勤勉な日本の専門家たちの職能効率を上げる事。

 そのためには、専門家の外部との交流を進めること、サービス産業を成熟させることが必要だと指摘。

 日本の環境変化への適応の遅さが心配だ。
 必要があって、起業支援について調べていた時に出会った本の一つ。

 米国経済が行き詰ったとき、ITベンチャーが突破口になったように、日本でもITに限らず起業が必要なことは確かだ。

 国民の金融資産が1千兆円もあるのに、大部分の国民が日本は豊かだと感じることができず、勤勉に働けば働くほど余裕がなくなる日本。
その原因を著者は、インフラ整備が不十分なため、富のありがたさを感じさせるものがないからだと言い、その責任は大蔵官僚にあるという。

 老後の心配があるから貯蓄し、その貯蓄を有効に使えないのだ。政治が機能していない。

読了日:11月26日



創業力の条件―チャンスに満ちたマイクロビジネスの時代へ■ 加藤敏春

 「創業力の条件―チャンスに満ちたマイクロビジネスの時代へ


 著者は経産省のサービス産業の専門家。21世紀の世界を、企業ではなく個人の起業家をイノベーションの主役としたマイクロビジネスの時代として描き出す。

 1999年刊と古いが、今なお新鮮だ。

  ベンチャーがモデルだがハイテク産業に限らず、トフラーのいうように経済全体を起業家経済、社会を起業家社会に変革する必要性を指摘する。

 日本の起業の低迷は、日本が管理経済・管理社会であることを示しているし、日本経済の低迷は起業の低迷と関係している。

 組織の軛から解放された日本人が、個人として輝き社会を活性化する時の到来を切に願う。
 また21世紀においては、医療・福祉・環境・健康・教育等の諸問題は、国レベルよりも地域コミュニティ・レベルでの解決が模索されると指摘する。

 高齢者マーケットのような新しい市場がコミュニティ・レベルで創造され、市民起業家によるコミュニティ・ビジネスが発展する。
 
 そこではコミュニティのメンバーは、コミュニティに対してサービスを提供し、見返りとして働き甲斐と報酬を得る。コミュニティは協働を通じて結ばれる協働社会となるという。

 ヒューマンキャピタリズムや第三の道に通ずる。理想論のようだが、着実に進んで欲しいものだ。
読了日:11月26日



人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)■ 出口治明 「人生を面白くする 本物の教養 」


 著者はライフネット生命の創業者。彼の人生観や生き方を語っているのだが、要するに、「人生を楽しもう」。

 そのためには仕事だけでなく、面白いと思う本を読み、人に会い、旅に出て、興味の範囲を広げる知識を勉強し、自分の頭で検証し納得し自分のものにすることが必要だと説く。

  日本がキャッチアップ社会だったために、日本人は仕事中心できたが、環境が変わり閉塞している今こそ、仕事や組織に縛られない個人の教養や考える力が必要で、仕事でも最後は人間性がものを言うのだと。

  合理的な彼の人生観とその実践に感嘆し又多くを学んだ。

 「教養としての時事問題」として国内外の諸問題についての著者のものの考え方を披露しているのが参考になる。

 問題の幹と枝葉を分ける、「タテとヨコ」で考える、定量的に視る、「数字・ファクト・ロジック」で具体的に考える、物事の本質はシンプルなロジックでとらえる、腑に落ちない知識は保留する、建前の裏の本音を考えるなど。

  また読書については、「分からない部分」は何度でも読み返す、速読は百害あって一利なし、新しい分野を勉強するときは分厚い本から入る、新聞書評で選ぶなどが、参考になった。
 本書で出会った著者の深い言葉。

 「人間が老人になっても生きているのは、人生で学んださまざまなことを次の世代に語り伝えることによって、次の世代をより生きやすくするためです。人はそのために生かされているのです。」

  もう一つ、キケロの名言。

 「自分が生まれる前のことについて無知でいることは、ずっと子どものままでいることだ」

読了日:11月12日

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