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2016年1月

2016年1月 2日 (土)

2015年12月の読書メーター

読んだ本の数:4冊
読んだページ数:841ページ
ナイス数:156ナイス

TPPに隠された本当の恐怖―ついに明らかになった危険すぎるシナリオ
苫米地英人 「TPPに隠された本当の恐怖
            ―ついに明らかになった危険すぎるシナリオ」


 TPP大筋合意の協定文書を読んで著者は衝撃を受け緊急出版。1月のTPP国会批准を阻止せよと言う。
 政府は国民や政治家に中身を教えないまま、条約というよりペナルティ条項がびっしり書かれた契約書にサインしようとしている。

 恐ろしいのはISDS条項。米国企業が差別されたと告訴すれば、裁判で必ず米国が勝つ仕組み。

 日本の農業は乗っ取られて遺伝子組み換え食物が溢れ、日本が誇る国民皆保険も解体させられる。TPPは巨大多国籍企業の利益のためであり米国でも反対が多いが、日本のメディアは報道しない。本当に恐ろしい事実。

 TPPの条文を作ったグローバル企業は米国に税金を払わず、それを政治献金や広告宣伝費に使う。日本も含めメディアを支配して、TPP批判をする人間をこき下ろす。政治家を洗脳して彼らに都合のよい法律を通してしまう。

 TPPの狙いは彼らが日本の政府予算200兆円、国民資産1200兆円のすべてを手に入れること。

 TPPを阻止するには、国会批准を阻止すること、駄目ならISDS条項を抜くこと、最低限ISDS条項に原法人規制を入れること。でなければ投票しないと議員に伝えよと主張。

 堤未果の描いた「貧困大国アメリカ」がいよいよ日本にも迫ってきた。
 読了日:12月27日


オグ・マンディーノ 「世界最強の商人」


 世界最強の商人 (角川文庫)読メで知る。1968年初出。世界中の経営者たちが賞賛したベストセラーとか。

 イエスが生まれた時代の或る商人の成功物語という形式をとっているが、セールス成功のための10の原理原則をまとめた自己啓発本で、良い習慣、すべてに愛を、失敗は成功の元、独自性の発揮、今日が最後の日、感情の主人、笑い・微笑みの習慣、高い目標、今すぐ行動、神への祈りといった内容は、人生哲学そのもの。

 一つ一つはどこかで読んだような内容だが、まとめて突きつけられると、実践できていない自分の尻を叩かれているような気分になる。真理だとは思うが。

 ◆「私は、一度だけの出会いで人を判断しないようにしよう。今日会った時に憎  しみを示した相手を、明日、必ず訪ねよう。」

 ◆「私を傷つけ、涙を流させ、思わず呪ってしまうような人や出来事に遭遇した時、私はどうやって笑顔を保つことができるだろうか?そんな場合、私を救う魔法の言葉がある。・・・『これもまた過ぎ去ってゆく』」

 ◆「私の行動を引き止め、遅らせるものは、恐怖心から生まれる。・・・恐怖心を克服するには『ためらわずに、今直ちに行動する』ことだ。」
 読了日:12月27日



  
末裔 (新潮文庫)絲山秋子 「末裔 」


 子どもが独立し妻にも先立たれた一人暮らしの男に、現実にはあり得ない事が次々に起こる。

 だがそれは人間の心にとってはリアルだ。

 懐かしい昔の親族の記憶がかなり曖昧なように、親しい人を喪った悲しみや在りし日の姿は時間と共に薄れ、故人は次第に忘れられて行く。

 だが時間が短ければ、記憶が染込んだ家には平静な日常がないという事だろう。

 自分の存在も死ねばいつか忘れられる夢のようなものだという無常感が漂うが、だからこそ、生きている今を大切にしようというメッセージを感じる。

 重いテーマながらユーモアに溢れた楽しい小説だ。

    末裔に忘れられたところで、自分が死んでいれば悲しむこともないのだが、生きているのに忘れられるのは悲しいことだと普通は思う。

 だが、「忘れないでほしい」と願うことは、関わるという行為をあきらめているのだから、その人がすでに「死にかけている」ことではないのか。

 逆に、亡き人に思いを馳せるとは、亡き人が「心の中で生き返る」ことではないのか。その人との過去の関わりが自分に影響を与えたが故に、「忘れられない人」になるのだろう。

 だから記憶もない先祖に自分のルーツを探しても意味はない。

そんなことを考えさせてくれた小説だった。
 読了日:12月13日




日本人が知らない地政学が教えるこの国の針路菅沼光弘 「日本人が知らない地政学が教えるこの国の針路


著者は元公安調査庁調査第2部長。

 世界の大国は地政学に基づく軍事戦略によって動いているが、それを知らない日本は生き残れないと説く。

 米ロ中の戦略の解説は現在の国際政治を読み解く上で説得力がある。

 経済的相互依存関係や国際機構だけでは戦争は避けられず、安保法制の憲法違反より北朝鮮の核脅威や中国の尖閣攻撃への対策が重要であると言うのが著者の考えで安倍首相支持。

 だが、米国に頼らざるを得ない現実を認める一方で、実力をつけて従属しない日本をつくるべきだというが、『憲法九条の軍事戦略』のような具体的な提案はない。

    米国を無条件に信用してはいけない。米国の軍事戦略は、米国が世界を一極支配することによって戦争をなくすというものであり、米国人は神に選ばれたという宗教的な使命感に基づくものだという。 随分自分勝手な論理だが、宗教は洗脳力が高いだけに厄介だ。

 ギリシャ危機もウクライナ問題も仕掛人は米国であり、ロシアやドイツへの対策だという。TPPが中国包囲網であることは明らかだが、米国のキューバとの和解が中国対策だというのは知らなかった。

 中国が反日を言わなくなった理由についても述べている。やはり各国の戦略を知ることは大切だ。
 私には、地政学は大国のエゴの正当化であり、国民を洗脳する建前に過ぎないように思われる。自国民が生き残るためには、他国民を犠牲にするしかないという弱肉強食の論理。殺される前に殺すという戦争の大義。

 しかし裏には他国民のみならず自国民をも犠牲にして利益を得ようとする大国の支配層がいる。

 悲しいかなそれが世界の現実である以上、防衛力も戦争防止の外交努力も必要だろう。だが、何よりも必要なのは、国民が覚醒して軍事力行使に走る支配層に抵抗することであり、ともに犠牲を強いられる各国民が連帯することだと思う。
読了日:12月10日

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