趣味

2013年1月 1日 (火)

12月の鑑賞メーター

観た鑑賞時間:693分

■リミットレス [DVD]
普通の人間は20%しか使用していないという脳を100%活動させる薬を手に入れるとどうなるか?あらゆる才能が花開き、金や名誉を手に入れることが出来るというのだから、全く羨ましい話だが、秘密を持つことで様々なトラブルに巻き込まれる。何とかトラブルから脱してはまたトラブルに巻き込まれるという展開にハラハラさせられる。きっと最後は不幸になると思いきや、そうでもなさそうなところが映画か。将来、そんな薬が発明され合法的に手に入れられる可能性は高いが、リミットがある方が人間は幸せかも知れないと考えさせられた。
鑑賞日:12月31日 監督:ニール・バーガー
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1956810

■戦火の馬 DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]
イギリスの田舎の貧しい小作農の家に買われた1頭の馬が、その家の若者に育てられ、やがて軍馬として徴集され、ドイツとの戦争において敵に捕まるが、奇跡的にイギリス軍に保護され元の農家に戻って来るという物語。何度も死の危機に晒されるが運よく助かるという展開にハラハラさせられる。強さ、賢さ、勇敢さゆえに皆から愛されたことが幸運をもたらした。何も話さない馬だが、主人への愛情や仲間への思いやりなど感情表現が豊かだ。戦闘を中断して敵味方で馬を助ける場面は感動的。美しい風景や戦闘場面も印象的。さすがスピルバーグ。

鑑賞日:12月29日 監督:スティーブン・スピルバーグ
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1951797

■ロビイストの陰謀 [DVD]
アメリカで実際にあったジャック・エイブラモフ事件の映画化。ジャックはジョージ・ブッシュを大統領にしたといわれる大物のロビイストだが、欲に目がくらみ詐欺事件を引き起こした。アメリカのロビー活動は合法的だが、やはり不正の温床に違いない。政治家への献金と贈収賄は境界が曖昧であり、政策が金で動く事に変わりはないからだ。そんな世界を知ることができたが、映画としては余り面白くなかった。組んだ相手が悪かったとしてジャックの悪人振りが中途半端に描かれているため、事実に忠実かも知れないが盛り上がりに欠けた。

鑑賞日:12月26日 監督:ジョージ・ヒッケンルーパー
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1943882

■テルマエ・ロマエ 通常盤 [DVD]
古代ローマ人も日本人も風呂好きだという共通点に目をつけて、日本の風呂のアイディアを古代ローマに持ち込めば受けるだろうとは誰でも考えそうだが、古代ローマ人の建築家が現代日本にタイムスリップして来て、ヒントを持って帰り成功すると言う発想が面白い。漫画が原作だけあって、漫画のような話だが楽しめた。お風呂の気持ち良さや癒し効果は時代を越えて万国共通だ。それにしても、「平たい顔族」には彫りの深い人と平たい人がいて結構多民族なんだと改めて実感した。
鑑賞日:12月23日 監督:武内英樹
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1937744

■ニューイヤーズ・イブ [DVD]
大晦日のニューヨーク。カウントダウンが行われるタイムズスクエアのボール・ドロップというイベント。そしてレコード会社のパーティ。その準備に追われる関係者たち、参加する人々、意識しながらも参加できない人たち。様々な人生模様、色々な人間関係が描かれているので、最初はちょっと展開が分かりにくい。トラブルは発生するが最後はすべて上手く収まる。死んでいく人もいるが赤ちゃんも生まれる。愛は生きる希望を与えてくれる、愛する人を持ちなさいと言うメッセージをさらりと伝える楽しい映画だ。
鑑賞日:12月20日 監督:ゲイリー・マーシャル
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1930277

■ディア・ブラザー [DVD]
冤罪で刑務所に入れられた兄を救うべく猛勉強をして弁護士になり、ついには兄の無罪を勝ち取る主婦の物語。米国で起きた実話に基づく映画。自分の家庭を犠牲にしてまで兄を救おうという信じられないほどの兄妹愛だ。自由の身となった兄が18年ぶりに大きくなった娘と再会する場面には感動した。娘が父への誤解を解いたからだ。警察が犯人をでっち上げる事件は日本でもあるが、掛替えのないたった一回の人生がそれで無駄になるのは余りにも残酷。やはり権力は怖い。
鑑賞日:12月15日 監督:トニー・ゴールドウィン
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1920631

■人生の特等席(クリント・イーストウッド主演) [DVD]
年老いた野球のスカウトマンと不満を持ちながらも父親を心配する娘との親子愛の物語。父親ガスの仕事への愛着・自信そして寄る年波への不安と強がりは、身につまされる。娘の不満に正面から向き合えない不器用さにも何故か共感する。愛情表現が下手なだけだ。子供の幸せを願わない親はいない。反発していた娘ミッキーの心の壁が崩れる瞬間は泣けた。娘が自分の仕事を受け継ぐ力を持っていたこと、自分の信頼する男に恋をしたことが、どんなに彼を幸せにしたことか。それが嬉しかった。ガスを演じたクリントイーストウッドがやはり素晴らしい。

鑑賞日:12月03日 監督:
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1896606

▼鑑賞メーター
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2012年12月 4日 (火)

2012年11月の鑑賞メーター

2012年11月の鑑賞メーター
観たビデオの数:3本
観た鑑賞時間:377分

■最強のふたり
奥さんを亡くした大金持ちの身障者フィリップの介護をすることになった失業中の黒人ドリスは、フィリップに同情も遠慮もせずに言いたいことを言い、重苦しい家の中を持ち前の明るさと強引さでどんどん変えて行く。いつも機嫌の悪いフィリップがドリスの言動に驚き喜んで見せる笑顔がとてもいい。フィリップが積極的になって行くと、見ているこちらも嬉しくなる。ドリスの采配で再婚もできハッピーエンド。元気をもらえる映画だ。

鑑賞日:11月25日 監督:エリックトレダノ
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1876821

■北のカナリアたち(吉永小百合主演) [DVD]
映画は原作とかなり違っており、先生と生徒の心の絆をテーマにした別の作品だ。昔の生徒一人一人が、事件をそれぞれ自分の責任と感じ罪悪感を持っていた所は同じだが、先生と過ごした歌のある楽しかった学校での生活と、事件後の生徒たちの上手く行かない人生が対比的に描かれていた。吹雪に荒れ狂う北の海と青空に緑広がる北の大地の対比が印象的に使われていた。先生自身に大きな秘密があったことで、ストーリーに深みが増した。最後は、全てのわだかまりが溶けて心が繋がり、感動させてくれる。吉永小百合のためのような作品。
鑑賞日:11月06日 監督:阪本順治
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1832326

■交渉人 真下正義 スタンダード・エディション [DVD]
地下鉄おたくの爆破犯と警察・地下鉄会社との闘いの話。警察の中に交渉人がいるとは知らなかったが、確かに必要だと思った。自己顕示欲の強い犯人とのやり取りでは力づくでは解決できず、心理的な駆け引きが必要だからだ。IT社会ではこうした犯罪は容易に起こり得るし、身近な地下鉄が舞台だけに非常に現実感があった。映画内のコンサートで次第に盛り上がって行くボレロの曲が、エンディングに向けての臨場感の演出に効果的だった。最初は頼りない感じだったユースケの顔が、最後は引き締まって見えた。予想より良かった。
鑑賞日:11月04日 監督:本広克行
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1826803

▼鑑賞メーター
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2012年11月 3日 (土)

2012年10月の鑑賞メーター

2012年10月の鑑賞メーター
観たビデオの数:7本
観た鑑賞時間:803分

■容疑者 室井慎次 [DVD]
被疑者が警察官の事件の捜査本部長だった室井警視正が、被疑者を追い詰め死に至らしめた容疑で逮捕されてしまう。真実を追求しようとする室井を辞めさせようとする様々な力がある。金で動く弁護士、不祥事の隠ぺいを図る警察上層部、警察庁と警視庁との派閥争い。犯人との戦いと言うより、真実を隠そうとする金や権力との戦いの色合いが強い。だから今回の室井慎次は、怒りで黙りこくる場面が多い。映画としては今一つ盛り上がりに欠けるが、社会の実態はこんなものだと感じさせるには十分である。
鑑賞日:10月27日 監督:君塚良一
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1804711

■インビクタス / 負けざる者たち [DVD]
27年間の投獄生活から一転、90年に南ア共和国初の黒人大統領になったマンデラにまつわる実話。アパルトヘイトの象徴だった白人中心のラグビーに、白人と黒人の和解の機会を見つけた大統領が支援して、弱小チームが見事強豪に再生し、国民も宥和したという話。本当の試合を見ているような気持ちで応援し、勝利に涙する自分がいた。いつの間にかマンデラと同じ気持ちになっていた。憎み合っていたら国が崩壊するという危機感の下に、黒人の反撃を許さずに不屈と寛大な心で信念を貫いたマンデラのリーダーシップに脱帽。
鑑賞日:10月25日 監督:クリント・イーストウッド
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1801372

■ジャックはしゃべれま1,000(せん) [DVD]
口先男の出版代理人ジャックは、庭に突然生えた樹木とつながってしまい、ジャックが喋ると葉が落ち、全部落ちると貴方は死ぬとスピリチュアル指導者に言われる。喋れないが故に、生活は滅茶苦茶になり、仕事も家庭も失う。荒唐無稽な喜劇と思って観ていたが、死を覚悟してからのジャックの心のこもった言葉や顔つきが良かった。「静寂の中にいると真実が聞こえる」「愛は心で伝えるもの」という指導者の助言で気付いたのだ。非常事態は人間に、普段見えない大切なことや心の奥のワダカマリに気付かせてくれる。
鑑賞日:10月21日 監督:ブライアン・ロビンス
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1792369

■踊る大捜査線 THE MOVIE [DVD]
「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてんだ」という有名なせりふが聞け満足。会議室の幹部に対する皮肉に満ちているが、幹部コースの室井と現場の青島の友情がこの映画を引き締めている。二人ともそれぞれ別のカッコいい生き方をしていて気持ちいい。
鑑賞日:10月21日 監督:本広克行
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1790852

■ツナグ
主人公の男子高校生が、依頼者の会いたい死者を呼び出す仕事である「ツナグ」の祖母の手伝いをしながら、「ツナグ」の意義に目覚めて仕事を継承するというストーリー。生きている人は皆、亡くなった人に対して後悔や疑念を抱いている。亡くなった人の本心を聞くことが出来たらという願望をテーマにした原作が素晴らしい。恋人を事故でなくした青年の話が一番泣かせた。最後の両親の死をめぐる主人公と祖母のやり取りが、前向きに生きる主人公の未来の明るさを感じさせる。松坂桃李と樹木希林のキャストと二人の演技が良かった。
鑑賞日:10月11日 監督:平川雄一朗
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1770121

■ロボット [DVD]
自分がつくった人工知能ロボットに感情まで与えたため裏切られ、挙句の果てに悪用されひどい目に合うというストーリー。余りの人間の自分勝手さに、感情を持ったロボットに同情したくなる面も。集団による歌と踊りが入るのが如何にもインドの映画だが、兎に角やることがすべてに徹底的で派手。何でもありで十分に楽しめるが、アクション場面はやり過ぎ・盛り込み過ぎでチョッとしらけるところも。

鑑賞日:10月07日 監督:シャンカール
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▼鑑賞メーター
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2012年10月 6日 (土)

映画を観る楽しみ

■読書はシニア・ライフの中心だが、映画の鑑賞も楽しみの一つである。

 ことばや文章の持つ意味やイメージから本の中の世界に入り込む読書は、かなりの想像力を必要とするが、ストレートに映像と言葉と音が感性を刺激する映画では、その世界に容易に入り込むことが出来る。より現実に近い世界での新たな体験は、心を揺さぶる力も強い。ストーリー展開の面白さや悲しさを、役者の迫真の演技や、環境の演出が引き立てる。音楽の力も大きい。

 読書もそうだが映画鑑賞も、ただ面白かっただけではその場限りの体験に終わってしまうので、出来るだけ感じたこと・読み取ったメッセージを書くことにしている。また何を観たか記録・整理することで、継続の意欲が湧く。そんなわけで読書メーターに続き、鑑賞メーターに登録することにした。

■2012年9月の鑑賞メーター
観たビデオの数:7本
観た鑑賞時間:622分

■ヒューゴの不思議な発明 [Blu-ray]
 孤児になった時計修理職人の息子ヒューゴは、盗みを働いて店主に捕まり、そこで働くことになる。その店主は戦争ですべてを失い失意のどん底にいたが、ヒューゴの活躍で、再び檜舞台に立つことが出来る、という心温まるストーリー。共に影を持つ店主とヒューゴの表情がとてもいい。人も目的を失うと壊れた機械と同じ、壊れた機械を修理するのが自分の役目だというヒューゴの言葉に感動した。舞台となるパリ駅の構内、歯車で一杯の時計塔の内部、雪降るパリの街が印象的で不思議な世界を演出している。あの機械人形の実物を見てみたい。
鑑賞日:09月23日 監督:マーティン・スコセッシ
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1725755

■ミスター・ノーバディ [DVD]
21世紀末、人類は科学の進歩により永遠の生を手に入れている。主人公は死を選択した最後の人間、MR.Nobody。記憶がない人間は誰でもない。記者の取材を受け、徐々に記憶を取り戻して語られるのは、互いに矛盾する複数の違う人生。彼はどの記憶も真実だと言う。人生の岐路における選択は人生を大きく変える。その可能性は樹木のように広がる。映画は一人の男の人生の可能性を描く。未来では、事前に可能性が分かって選択できるのだが、現在でも選択の重要性は同じだ。限られた人生だからこそ、愛すべきものを求めよとのメッセージ。
鑑賞日:09月23日 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
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■天地明察 (岡田准一主演、宮崎あおい出演) [DVD]
江戸時代に天文学や暦に関わるこんな人たちがいたのかと言う驚き。暦の改革に水戸光圀も絡んでいたことも初めて知った。失敗して落ち込む夫を、優しく励ます妻の姿にはほろりとするが、岡田准一と宮崎あおいのカップルが可愛すぎて、少々迫力に欠けたが、笑わせる部分もあり、楽しめた。
鑑賞日:09月22日 監督:
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1721572

■ペントハウス [DVD]
主人公は、ニューヨークの高級タワー・マンションの管理マネージャー。ペントハウスの超金持ちの住人に騙され、投資に皆の金を注ぎ込み失敗して首になる。その金持ちは詐欺で逮捕されるが、その住宅に隠されていると分かった現金を何とか奪い返そうとする。一体、あんなものをどうやって運び出すのか・・・。スリルと痛快さが楽しめるエンターテイメント。
鑑賞日:09月22日 監督:ブレット・ラトナー
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1721516

■ベスト・キッド [DVD]
ウィル・スミスの息子も可愛かったが、やはりジャッキーの映画。前面に出張らない渋い役どころだから、アクションより演技が光っていた。
鑑賞日:09月19日 監督:ハラルド・ズワルト
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1713689

■プロメテウス [Blu-ray]
最初は期待でワクワクしながら見ていたが、良くあるエイリアン物だったので少々ガッカリ。気持ち悪かった。
鑑賞日:09月14日 監督:
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1697150

■トータル・リコール [DVD]
激しいアクションで疲れた。脳の記憶を操作できる時代が本当に来ると怖いですね。
鑑賞日:09月02日 監督:ポール・ヴァーホーヴェン
http://video.akahoshitakuya.com/cmt/1667835

▼鑑賞メーター
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2012年9月 9日 (日)

中学時代の同級生たち

 田舎の近くの温泉町で、中学校の同級会が開かれ、8年振りに出席した。
十数年前から毎年行われていて、とても仲がいい同級生たちだ。元々はお盆に行われていたが、主婦はお盆には出難いということで、9月に変更された時から、出ていなかった。久し振りに昔の仲間に会いたくなった。

 今年は男性10、女性7名が参加した。同級生は元々男性26、女性22名なので、比較的女性陣が積極的で出席率がいいことが盛り上がる原因だろうか。地元からは5名、県内から7名、関東から5名だった。8年前と顔ぶれが若干入れ替わっていた。6時半頃から始め宴会場で2時間、一部屋に集まって2時間半、有志で1時間楽しく酒を飲みながらおしゃべりした。

 近況報告や欠席者の情報交換で色々なことが分かる。48名中分かっているだけで、病気で亡くなった人4、体を悪くした人2、御主人を亡くした人3と、状況は少しずつ変化している。出席者の中でフルに働いている人はさすがにいなかったが、週3日勤務とかアルバイトをしている人は8人と多かった。区議をしている人がいたり、ヤクザになった人がいたりと人生模様は様々だった。その度に女性陣が野次を飛ばしたり、キャッキャッと笑うので賑やかだ。当時も今も女性は大人だしたくましい。

 当時一番仲が良かった2人も参加しているが、二人とも存在感があった。一人はお父さんが新聞社のカメラマンで、本人も中学時代から新聞部のカメラマンをしていて、たくさんの写真を撮っていて、アルバムを当日持ってきて皆に披露してくれた。文化祭を見学に来ている母親の写真が皆和服だったことに時代を感じた。また記念写真もプロ並みに撮ってくれ、帰りには配ってくれると言う手際の良さに感激した。

 もっと感激したのは、もう一人。私が中学時代に親戚の人に連れられて山登りした話に刺激されて始めたという山登りだが、もう経験40年以上のベテランとなった。毎年70か所以上の岩山や冬山を経験していて、プロの領域に達している。どこの山のどこが危険でどこが景色が良い、テントを張る場所はここがいい、水はここで汲めばいいなど、温泉場や歴史の史蹟も含めて熟知しており、近く本を出すとか。

 岩登りのロープの使い方や冬山の雪上の歩き方など、テクニックはすべて経験から身に付けた。今、山ブームで人口が増えているが、知識や訓練不足なため、装備も不十分な上、無理のある日程で上る人が多く困ると言う。ほとんど一人登山だが、時には頼まれて県外の若い女性たちや78歳の女性に同行したりしたことがあるそうだ。その時は、安全第一で、けがや装備の不備などの不測の事態に対応して備品を持って行くので、同行する人たちは知らないが、結構大変なんだと嬉しそうに話していた。一度、登頂して美しい景色と達成感を味わうと、止められなくなるそうだ。

 10月上旬だと言うのに雪が突然降り出し、頂上目前で決断し下山したことがあったが、翌日の新聞で、数か所で何人もの遭難者が出たことを知って、決断の大切さを学んだ。山の状況、天候、体力、装備、日程等を総合的に計画する力がないと、非常に危険だ。失敗をしては色々学んだ、「山や自然は俺の師匠だ」「自然に勝とうとしちゃいけない。」と深いことをさりげなく言う。

 圧倒的な経験と知識があるから、話は尽きない。面白おかしく話すから全員が引き込まれ笑いが絶えなかった。特に熊、猪、猿と出会った時の話は、臨場感たっぷりに話すものだから本当に面白く、女性陣はお腹を抱えて笑っていた。「皆はまだ働いて社会に貢献しているが、自分は好きなことだけをしているから申し訳ない。」と言いつつも後悔はしていない。ゴルフでも何でも好きなことを徹底してやったらいいと皆にアドバイスしていた。でも、山は金がかかるから、奥さんには申し訳なく感謝しているそうだ。

 彼に比べると、自分はなんてつまらない人生を送ってきたのかと感じさせられてしまった。仕事で頑張ったとは思っているものの、一流にはなれなかったし、彼の山への情熱や努力の徹底ぶりを見ていると、自分は仕事も中途半端、教養も趣味も遊びも全部中途半端だったような気がした。「絵が得意だったんだから、暇になったら絵を描きなよ。そして教えてよ。」などと、彼は励ましてくれたが、やりたいことはたくさんあって、絞りきれていない。いずれにしても、今は可能なのだから仕事を早く卒業して、好きなことに打ち込んだ方が人生は楽しいと思った。

 

2012年8月14日 (火)

川村記念美術館

 千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館に行ってきた。特設展示は、オリンピックに因んでなのか、英国のポップアートの巨匠、リチャード・ハミルトンの版画展だったが、そちらに興味があったわけではなく、写真で見た建物と庭が素晴らしかったので行ってみた。

 お盆休みということで、結構たくさんの人が来ており、レストランは5分か10分程度の予約待ちになる程だった。行ってみて分かったのは、大きな池や芝生広場のある広い素晴らしい庭園が市民に開放されていたこと。美術館もさることながら、この社会貢献への姿勢と努力には、さすがDICと感心した。

 美術館の建築・中庭・周囲の庭園は、上品で高級感のある造りで、メンテナンスも行き届いていて、とても感じが良かった。

 ハミルトンは、写真の加工やコラージュ、工業製品へのアイロニーが中心だが、やはりあまりピンと来なかった。日常との距離が近すぎるからだろうか。

 期待していなかったのだが常設展の方が良かった。20世紀美術に力を入れていて、ヨーロッパやアメリカの現代美術作品が充実していたが、現代の抽象美術はデザインに近づいており、面白いものはあったが、あまり感動しなかった。

 それよりも、むしろ作品の数は少ないが、レンブラントからルノワール、シャガールの近代絵画の本物が見られて良かった。特に、シャガールの色彩がきれいな夢の世界には感激した。大好きなセザンヌの作品はなかったが、シャガールに新しい魅力を感じた。

 美術館めぐりは、いろいろな場所を訪れることで気分転換になるだけでなく、新しい発見があるので楽しい。

2012年5月13日 (日)

セザンヌ展を観る

 先週、国立新美術館でセザンヌ展「パリとプロヴァンス」を観た。昔から一番好きな画家だったが、久し振りに本物を、しかも約90点もの数をまとめて見ることが出来、改めて感動した。セザンヌの絵は、感覚的に美しいというだけでなく、どこか理知的なイメージが漂う。それが自分の好みにも合っているのだが、それが一体どこから来るものなのか少し考えてみた。セザンヌの絵の特徴として思いつくのは、構図、色使い、筆致、そして全体的なイメージだ。

 先ず構図だが、垂直・水平の線や面的な要素は、これ以上ないほどにバランスが突き詰められている。しかし単調なバランスではなく、斜めの線や曲線が混じり、安定感の中にもどこかに動きを感じさせる。描かれる対象の良さは取り込みながらも、画家の画面構成の強い意志を感じる。

 色使いについては、肖像画に代表される古典的な絵画とは違い、絵の具を塗り込めたような重苦しさがない。印象派の影響もあり、色も明るく濁っていない。光の効果も十分に考えられている。しかし色や光が前面に出ることはなく、適度に抑えられているため、落ち着きを感じる。色の配置のバランスもいい。

 筆使いは、短かく太い斜めの筆跡で全体を覆う「構築的筆致」と呼ばれる独特の手法で、全体が柔らかく優しい印象になっている。このタッチで描かれたサント・ヴィクトワール山は自分の最も好きな一枚だったのだが、今回気づいたのは、晩年の作品ではこの筆跡は見られず、もう少し大きな破片のような面の積み重ねになっていたことだ。

 全体のイメージは、晩年の方が対象を描写しながらも、細かい所は捨象し抽象度が進んでいる。にも拘らず、同じサント・ヴィクトワール山で晩年のものは、よりおおらかでダイナミックでのびのびしている感じがして、こちらの方が今はシックリ感じる。対象のディテールから解放されながらも、対象の持つ存在感は失われていないから、かえって強い印象を与える。それでいて油彩とは思えない水彩のような軽やかさも持っている。

 セザンヌが亡くなる1906年に描かれた人物画である「庭師ヴァリエ」でも、ディテールは顔の表情含めて何も書かれていないにもかかわらず、実に生き生きしているのが不思議だ。この対象の存在感が、抽象絵画では得られない魅力だと思う。このような存在感は写真のように忠実に描いたからと言って得られるものではない。

 そもそも近代の絵画は、写真との相克の中から新しい生きる道を切り開いてきたと言える。カメラの原理は17世紀からあったようだが、その光学的映像を記録する方法がなかった。まさにセザンヌが生まれた1839年に初めて映像の記録方法が考案され、これを足がかりとして、銀塩写真記録法の普及が始まったようである。この写真の普及が肖像画などを生業としていた画家を失業の危機に陥れた。

 写真と同じことをしていては飯は食えなくなったのだ。写真のような対象の正確さを追及しても、その苦労は認められたとしても、写真に勝てるはずもないから意味がない。その危機感の中から印象派が生まれたのだと、モノの本に書いてあった。

 人の認識は関心や価値観によって変わる。同じものを見ても違うイメージを見ている。知識や観察度合いや見る目によってもイメージは変わる。その新しいイメージを対象から抽出して記録するのが近代の絵画というものかもしれない。むしろ人間が感じた感覚・印象・イメージに忠実に記録することだ。これが、展覧会の解説にあったセザンヌの言う「感覚の実現」ということなのではないか。

 展覧会は、パリとプロヴァンスというセザンヌゆかりの北と南の土地の対比の中から、作品の軌跡を捉え直そうという企画だった。1839年プロヴァンス生まれのセザンヌは、1860年代のはじめに銀行家の父親の反対を押し切ってパリに出て、画家としての修業を始めるが、余りパッとしない。

  70年代に登場した印象派の影響を受け古典的な絵画から離れるが、セザンヌは印象派の感覚だけの絵画に満足しなかった。新しい絵画を生み出すべく奮闘するが評価は得られず、80年代に父親の死を契機にプロヴァンスに戻り孤独なまま絵を続ける。その後ようやく高い評価を得るようになったが、妻との関係も含め相当な苦労を重ねたようだ。

そんな人間セザンヌの履歴も今回初めて知ることができ、また一段とセザンヌを好きになった。

 

2012年5月11日 (金)

男の料理教室

 不就労日の木曜日を使って今日から料理教室に通い出した。と言っても月1日だけで、12か月のコースの、今日はその第一日目。お料理初めてのクラスで、しかも男のみのクラスだ。第2木曜日の10時から12時15分までと決まっている。地元にはないので、電車に乗って出掛けた。

 10分前に到着すると、もう皆さんお揃いで、エプロンと三角巾に身を包んでいる。同じ年回りと思われる方が多かったが、若干上の方もいた。慌てて受付で手続きを済ませ、席に着く。

一つの調理台に4人ずつ座り、約30人の生徒が、正面の講師の調理台の方を向いている。講師の調理台の上には、大きな鏡が付いていて、後ろの人にも手元が見えるようになっている。

 いよいよ、講義が始まった。まず講師や助手の先生3人の自己紹介の後、各調理台のメンバー相互に自己紹介をさせた。優しそうな人たちばかりで安心した。事前に配られた今日の料理のレシピを解説したペーパーに従って、先生が実際に一部をやって生徒に見せ、生徒が後でそれをやってみるという方法で進んだ。今日の料理は、鳥の照り焼き丼と和風サラダだったが、包丁の使い方、お米の砥ぎ方から、野菜や肉の切り方、調味料の量り方、肉の焼き方など、丁寧に教えてくれた。

 実際やりだしてみると、先生のやったことを覚えておらず、メモした中にも書いていないことが多く、質問だらけだった。先生に聞きながらも、何とか初めての料理が出来たことは嬉しかった。また、それなりに旨かった。レシピ通りに作れば、旨いのは当たり前なのかもしれないが。

 今まで、料理などしたことのない人間としては、料理の楽しさの一端が伺えたし、料理へのハードルが下がったことは良かった。これからは家にいることが多くなるから、家事の手伝いだけでなく料理くらいしないと、かみさんに申し訳ない。かみさんに、リタイアはないから。

 早速今度の日曜日に、その料理を家でするように、かみさんから言われている。そういえばこの教室のパンフレットを持ってきたのはかみさんだった。深謀遠慮があったかもしれないが、自分もその気十分だったのだから、それはそれでいいじゃないかと思う。

2012年3月25日 (日)

篆刻教室

  以前から興味を持っていた篆刻の一日教室が近所であったので、行ってきた。
生徒は20人ほどで、ほとんどが同世代の男女。若い人はほんのわずか。
先生は中国人の張大順さん、50歳。中国でも日本でも書と篆刻で有名な方だそうだ。
いろんな賞を受賞し、古代文字の本も出されている。日本に留学して帰国し、現在は日本に暮らしている方だ。気さくでほめ上手なとても優しい先生だった。

  午前の2時間は、理論編。印鑑と篆刻の違いを、分かりやすく解説してくれた。
要するに実用品から発展した芸術だが、使われる文字は篆書と呼ばれる中国の古い漢字。まさに漢の時代以前の文字。篆刻が発展したのは明や清の時代だそうだ。
 
篆刻の基本は「七分書き、三分彫る」と言われ、文字を選んでデザインをするのが主で、彫るのは従。先生の様々な種類の作品事例を見ながら説明を受けた。兎に角、文字の美しさとバランスが素晴らしい。以前、カミさんと行った古河の街で見つけて入った篆刻美術館ですっかり虜になった理由だ。

午後からは実践編。好きな文字を選ぶのだが、無難なところで名字の二文字にした。正方形の石材なので縦長の小篆文字を選んでスケッチした。それを先生が、筆でサラサラと書いてくれた。それがまた実に美しい。それをコピーして裏返しして石材に貼り付け上からマジックインクで塗ると石材に逆字が転写された。

  いよいよ彫刻。刀の使い方を教えてもらい、先生の実演を見てから実践に入った。先生は一文字を10分位で彫ってしまった。朱肉につけて押印すると、美しい文字が浮かび上がる。皆、歓声を上げて拍手する。

  初めてとはいえ、余りにも思うように彫れなくてイライラしてしまう。1時間半ほど悪戦苦闘して、何とか一通り彫ったのだが、朱肉をつけて押印すると、元の文字とは似ても似つかず何とも様になっていない。細い線を残さなくてはいけないのだが、なかなか細く削れないし深く削れない。ちょっと細く削ろうとすると文字の一部が切れてしまう。

  何回か繰り返してから、最後に先生に見てもらう。「初めてでこれ位できるなら、少しやればきっと上手くなるよ」と褒めて頂きいい気持にさせてもらった。先生がザクザクと気持ち良い音を立ててチョッと手を加えただけで、見違えるようにシャープな線に生まれ変わった。切れてしまった線は元に戻らぬものの、何とか見られるものになって感激した。

  大変満足したのだが、ただ元の文字は先生に書いてもらったので、自分の作品とは言えない。やはり文字をデザイン出来るようになりたい。篆刻の前に先ず書道を習いたいと強く思った。小学生の頃、少し習ったので、多少は出来るつもりだが、仕事をするようになってから字が汚くなったし、年賀状を一部の人には筆で書いているのだが、いつもバランスが取れず嫌になっているからでもある。

シニアライフの一つの目標を確認出来た楽しい一日だった。

2012年2月27日 (月)

日本の国債は大丈夫か

日本の国債は大丈夫か
「個人の金融資産は負債を引いても1250兆円あるから、国債が増えても問題ない。」、あるいは「企業に余裕資金が200兆円あるので大丈夫」という意見は誤りだと、野口悠紀雄氏は言う。(「消費増税では財政再建できない」ダイヤモンド社2012)

なぜならば、それらの金融資産はほとんど、銀行預金等を通じて企業に貸し出されたりまたほとんどは国債購入に充てられすでに運用されているので、国債残高の担保にならないのである。

これまで日本の国債の消化が順調に進んできたのは、企業の資金需要の減退で、銀行の企業貸出が減り、国債の大部分を購入してきたからだ。

政府の債務残高は、09年末で1020兆円。GDPの200%と騒がれるが、バランスシートとしてみるならば、世界一の膨大な政府資産650兆円を計算に入れないのはおかしい、と高橋洋一氏はいう。資産負債差額は370兆円である。しかも政府には徴税権という簿外の資産がある。かつて英国がGDPの2.5倍にもなっても破綻しなかったのはGDPの2倍相当の徴税権によるという。(「日本経済の真相」中経出版2012)

なぜ財務省は借金ばかり強調し、資産に触れないのか。資産を売ると自分たちの天下り先がなくなるから、というのだから、あきれてものが言えない。

高橋氏によれば、国債の「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」という金融派生商品があり、この契約料(保険料)には、国債破綻の可能性が反映されている。もし近いうちに破綻する可能性があれば、ギリシャのように90%というような高い保険料率となるが、現在は1.4%と低い。これはドイツの1%とフランス2%の中間である。

したがって、マスコミが騒ぐような数年で国債が暴落するというようなことはなさそうだ。国債が暴落するというのは、何%のことかあいまいだが、いずれにしても償還前に国債を市場で売却する場合のことである。しかし日本で金融機関が急に資金を調達する必要になるような事態は今のところ想定できない。また復興資金需要も盛り上がっていない。

しかしだからといって、国債残高が増える今の傾向が続けば、銀行が貸出を減らし国債を購入し続けても、限界が来ることは明らかである。対外資産の売却といっても、米国債が多いのでこれも限界がある。ということで、10年20年の単位では破綻の可能性はあるのである。

金融機関は、国債の消化が困難になると予測した時点で国債を売却しようとするから、破綻の時期は実際より早くなる可能性は高い。

ではなぜ国債の発行が増え続けるのか。税収が減る一方で、財政支出が増え続けているからだ。何が増えているかと言えば、社会保障費用だ。次はこの問題を考える。

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